きちんと考えよう「性」のこと
体は、その人だけの大切なもの。人の体に勝手にさわるのはいけないことです。「性」に関する大切なお話です。大人といっしょに読んで、自分の体について考えましょう。(近藤理恵)
勝手に触らない、触らせない
看護師で助産師の大貫詩織さん(27歳)は小学校や中学校で、体の仕組みや子どもがどうやって産まれるのかなど、「性」に関わる講演を行っています。
「性教育を通して、自分の体や、ほかの人の体を大切にすることなどを伝えています。それは『人権』につながる大切な話です」
小学生のみなさんは、人と自分の間には、見えない「境界線」があることを知りましょう。「仲良くなりたいからと、相手の気持ちを確認せずに、いきなり手をつないだり、さわったりすることは、人が相手との間に引いた『境界線』に入ってしまっていることになります」
特に、水着でかくれる「プライベートゾーン」と呼ばれる部分は、あなただけのとても大切なところです。このゾーンは、人にさわらせてはいけません。反対に、勝手に人に見せたり、あなたの気持ちに反してさわらせたりするのもいけないことです。親しい関係や親であってもだめです。
加えて、「口」もプライベートゾーンと同じように、勝手にさわったり、さわらせたりしてはいけません。
悩みは恥ずかしがらず相談
子どもが、プライベートゾーンが大切な部分だと知らないことにつけこみ、さわろうとする悪い大人もいます。それは犯罪行為です。「もし、プライベートゾーンをさわられるなどして、いやな気持ちやこわい思いをしたら、大人に伝えてください」
時に、悪い人は「誰にも言ってはいけないよ」と言います。しかし、大貫さんは「その場合でも自分の気持ちを大事にして、大人に伝えてください」と言います。
話を聞いた大人は、被害にあった子どもを責めるような言動をとってはいけません。「大人は『話してくれてありがとう』と子どもを守ってほしい。責められた子どもは『自分が悪かったんだ』と思い、よけいに言えなくなってしまいます」
大人もごまかさずに答えて
性に関する話をすると、思春期をむかえる中学生くらいで、恥ずかしがる人が多くなる印象だそうです。しかし、「決して恥ずかしいことではありません」と大貫さん。
「成長するにつれて、体に変化が生まれてきます。不思議に思ったり、不安を感じたりすることもあるでしょう。心配なことがあっても大人に聞けない人も多いです。性に関することは、決して『聞いてはいけないこと』ではありません」
子どもから聞かれた大人も、ごまかさずに話してほしいと言います。「すぐに答えられなければ、調べてからでもいいです。家庭でも性に関してオープンに話すことが、子どもたちの体を守ることにつながります」
外部リンク