讃岐路に秋の到来を告げる琴平町の金刀比羅宮(琴陵容世宮司)例大祭は10日夜、最大の呼び物「みこし渡御(とぎょ)」が古式ゆかしく営まれた。本宮から表参道に向かって長い行列が厳かに石段を下り、見守る大勢の参拝客を平安絵巻の世界へといざなった。
総勢約650人のみこし渡御の行列は、毛槍(やり)を打ち振るう奴(やっこ)組を先頭に、頭人(とうにん)を務める子ども4人や氏子総代、巫女(みこ)や雅楽を奏でる伶人(れいじん)が続いた。
午後9時ごろ、御分霊を乗せた金色のみこしが武者姿の男たちに担がれて本宮を出発。たいまつの炎に導かれながら2時間ほどかけて785段の石段をゆっくりと下り、2キロほど離れた麓の神事場に到着。深夜には着御祭(ちゃくぎょさい)が営まれた。
例大祭最終日の11日は、午前10時から神事場で献馬式や金刀比羅舞の奉納行事などが行われ、みこしは午後9時に再び本宮を目指して出発する。