北海道の秋の味覚イクラ。気になるのが価格ですが、実はことしもサケの不漁が続いています。
釧路市内の炉端焼きの店では、サケやイクラが値上がりしていることに危機感を抱いています。
炉ばた煉瓦 木村隆志店長「仕入れ値が上がる事が打撃。できる限り値段を上げずやっている。出来たらサケがとれてほしい」
◇筋子は値上がり
イクラの醤油漬けを自宅で作るのに欠かせないのが筋子。札幌市北区のこちらのスーパーでは、ひと腹の値段が2700円。
60代主婦「ちょっと考えますよね、お正月用だけになっちゃうかもしれない」
北海市場 斉藤亮彦鮮魚部長「(日高・えりも沖は)脂ののったサケが獲れるが不漁で値段が上がっている。それに伴い他産地も(値段が)上がっている」
◇漁獲に地域差
日高では、秋サケの記録的な不漁が続いています。
様似漁協 久野俊昭さん「(Q:期待できそうか?)いえ。去年並みに落ち着く。期待できないと思います」
道内の去年のサケ水揚げは記録的不漁といわれた2017年を下回り、平成以降最悪となりましたが、ことしは地域によって大きな差が出ています。
日本海側とオホーツク海側は去年より大きく回復しているものの、日高と根室は深刻な落ち込みとなっています。
今年は台風が少なく太平洋側で海水がかき混ぜられず水温の高い状態が続いているため、冷たい水を好むサケが近寄ってこなかった可能性があるということです。
◇プロに聞く醤油漬け
札幌市中央区の「鮨処あら政」。サケの仕入れ値は不漁だった去年よりさらに上がっていますが、イクラの軍艦の価格は据え置いているといいます。
鮨処あら政 白戸康博さん「去年より(サケ・イクラの仕入れ値が)2割高い」
そんな貴重なイクラを美味しく作るためにはどうすればいいのか。
この道60年以上のプロ、白戸さんによると、塩水で漬けて洗った筋子をほぐし、塩を振って水を切り、2~3時間冷蔵庫へ。
酒・しょう油を煮立たせた調味液を冷やし、イクラを45分程度漬け込めば上品な味に仕上がるそうです。