空からのたより
やったー、もうすぐゴールデンウィーク! 晴れた日は外で思いっきり遊ぶぞ! でも、太陽の光に照らされて長時間遊んでいると、顔や腕が日焼けで赤くなったり、ヒリヒリ痛くなったりしたことはありませんか? この日焼けに影響するのが、紫外線です。
地上に降り注ぐ太陽の光には、目に見えるいろいろな色の光のほかに、目に見えない赤外線と紫外線がふくまれています。太陽の光にあたると暖かいのは赤外線のはたらき、そして、日焼けは紫外線のはたらきです。紫外線は太陽の光全部のうち数%ほどと少ないのですが、動物や植物の生存に影響をおよぼすほどの強いエネルギーをもっています。
では、紫外線をもう少しくわしく説明しましょう。紫外線は細かくみると、エネルギーの弱い方からA波、B波、C波に分けられます。この中でもB波の一部とC波はエネルギーが強すぎて生き物には特に有害です。仮に紫外線がすべて地上に降り注いでいたら、私たちは地上で生きることはできないでしょう。
約46億年前に地球が誕生してしばらくは、すべての紫外線が降り注ぎ、生き物はいなかったとされます。その後、地球が冷えて海ができると、海の中で生まれた植物が光合成で酸素を作りはじめ、その酸素が大気に広がり、一部がオゾンとなって上空にオゾン層が作られました。そして、このオゾン層が有害なB波の一部とC波を吸収。バリアになって、約5億年前にようやく生き物は地上で生きられるようになったと考えられています。
この大切なオゾンは、仮にギュッと集めて上空から地上に下ろしたとすると、厚さはわずか3ミリ。こんなに少ないオゾンが私たちの命を守っているのです。ところが、かつてこのオゾン層が大ピンチになったことがありました。人にとって便利なフロンという物質がオゾンをこわしていったのです。今はその反省から、フロンを作ったり使ったりしないよう世界中で規制が進んでいます。
ゴールデンウィークの紫外線の強さは太陽ギラギラの夏休みとあまり変わりません。外で長時間遊ぶ時はぼうしをかぶったり、長そでの服を着たり、日焼け止めクリームを使ったりしましょう。
鈴木晶子(すずき・あきこ) 日本気象協会気象予報士 関西学院大学卒業。2001年に気象予報士、07年には防災士の資格を取得。ラジオやテレビ番組での解説のほか、防災や環境をテーマにした講演も行っている。趣味は山歩き。
外部リンク