積極的な禁煙を!
タバコと認知症の発病には大きく関係性があり、脳のMRIを見てみるとやはり隠れ脳梗塞が多い印象を受けます。そのため、脳の機能が低下し、物忘れの自覚を訴えるのです。また、タバコは、他人への迷惑にもなります。自分だけならまだしも、他人の煙を吸ってしまう受動喫煙も認知症の発症率を上昇させてしまいます。
自分の健康を害するだけではなく、他人にも影響を与えてしまう喫煙行為。今までタバコを吸っていたとしても、健康的な行動に生活習慣が変わることで、認知機能の低下になりにくいので、いますぐに禁煙しましょう。
コーヒーは認知症を予防する!
フィンランド・クオピオ大学およびスウェーデン・カロリンスカ研究所教授のMiia Kivipelto氏による20年以上の聞き取り調査によると、コーヒーを1日3~5杯飲む中高年は、高齢になった時に認知症やアルツハイマー病を発症するリスクが60~65%低いという結果を公表しました。
なぜ、コーヒーが有効なのかは不明ですが、カフェインやニコチン酸の原料であるトリゴネンが多く含まれているからだと推測されています。しかし、コーヒーの飲みすぎは、胃潰瘍などの原因になりますから、なにごとも程々が大切です。
緑茶を積極的に取りましょう
緑茶に含まれるカテキンが神経細胞を保護することが動物実験でわかっており、人へもその働きがある可能性があります。
また、緑茶に含まれるエピガロカテキンガレートを、人工的なアルツハイマー病マウスに投与したところ、アルツハイマー病の原因とされるベータアミロイド蛋白の生成を抑制することを認めたことから、積極的に緑茶を飲むことは認知症の予防につながるといえます。
フラボノイドを含むワインはOK!
飲酒と認知機能の低下には諸説ありますが、ほとんどの研究結果は、ビールで350ml、ワインで150mlほどの量であれば、飲酒は認知症を遅らせる効果があるかもしれないと結論付けているものの、決して大量飲酒は勧めていません。
特にフラボノイド多く含むワインを多く摂取している人は認知機能が高いことが知られています。タバコと比べ、飲酒を肯定する研究結果が多いのですが、やはり飲みすぎには注意が必要です。
参考資料:認知症を予防する良い習慣と悪い習慣(https://allabout.co.jp/gm/gc/313823/)記事下段に記載
文:菅原 道仁(医師)