読者のみなさんの中には、頭痛や下腹部が痛いなどの月経痛(生理痛)で悩んでいる人はいませんか。
学校を休むなど、日常生活に支障をきたす生理痛は「月経困難症」といい、治療が必要です。
月経困難症の治療薬の一つ、「超低用量ピル」について、宮益坂メリーレディースクリニック(東京都渋谷区)の院長・長岡美樹さんに聞きました。(近藤理恵)
生理痛 我慢しないで!
2016年にスポーツ庁の委託事業として、NPO法人「日本子宮内膜症啓発会議」が中学・高校の女子生徒計608人を対象にアンケートを実施しました。
その結果、約8割が「生理に関して勉強や運動に影響するほどの症状がある」と答えています。
約7割が主な症状として「生理痛」を挙げ、その半数以上が「生理痛を我慢している」と回答しました。
長岡さんは「学校を休んだり、学校に行ってもすぐに保健室に行ってしまったりするなど、日常の生活に影響がある場合、月経困難症にあたります。
『生理痛は我慢するもの』と思っている人もいますが、我慢する必要は全くありませんよ」と言います。
産婦人科で相談を
月経困難症の治療薬には、鎮痛剤や漢方薬、そして「超低用量ピル(LEP)」があります。
ピルは、2種類の女性ホルモンを含む錠剤です。生理にともなう痛みや症状を抑えたり、生理の量を減らしてくれたりします。
基本的には毎日1錠、21日間飲み続け、7日間飲むのを休みます。
薬を飲んでいない間に、少なめの出血が起きます。月経が始まっていれば、中学生から服用することができます。
月経困難症の治療薬のピルには保険も適用されます。月1千円くらいの費用で使えるものもあるそうです。
長岡さんは、ピルのメリットについて「自分の体を管理でき、自分の思ったように日常を過ごせること」を挙げます。
生理痛で悩んでいることがあれば、まずは産婦人科に行き、症状を相談してほしいと長岡さんは話します。
「医師に相談し、自分に合う薬を選んでもらいましょう。体のことは、親や先生には相談しづらいかもしれません。
そんな時は1人で悩まず、産婦人科を受診してみてください。月経のことだけでなく、ちょっとしたことでも相談にのります。無理な診察はありません」
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