原発から出るいわゆる「核のゴミ」。 その最終処分場を選ぶための調査に後志の寿都町が応募を検討していることが明らかになり波紋が広がっています。
片岡春雄町長「皆さんの合意の中で、進むも進まないも結論を出していきましょうよと。」
突然、公になった町長の意向。多くの住民にとって「寝耳に水」でした。
◇地下300mの処分場
核のゴミ…原発で使った後の燃料を再処理する時に出る強い放射能を持つ「高レベル放射性廃棄物」です。
その最終処分場。
放射性廃棄物をガラスで固めて特殊な容器に入れ、地下300メートルよりも深いところに貯蔵する計画ですが、処分場をどこに作るのか決まっていません。
◇早くも様々な声が
寿都町の片岡町長が応募を検討していると明かしたのは、最終処分場の選定の第1段階で、過去の記録などから地質を調べる「文献調査」です。
町民からはさまざまな反応が…
町民「寿都はどんどん人口減っているし、過疎をとるか核を取るか、それだけだ」
町民「ここの町村だけでなくて周りの市町村だって迷惑だと思うよ」
◇過去には紛糾も
「お前いい加減にしろ!わかっとるのか自分がしたことを。」
2007年、高知県東洋町。
当時の町長が処分場の調査受け入れを表明したことで、住民が激しく反発しました。
◇調査でも20億円が
それ以来、全国のどの自治体も公に表明していない調査の受け入れ。
寿都町が検討する理由にあげたのが、調査を行うと支払われる2年で最大20億円の交付金です。
寿都町長「コロナで相当この町も痛めつけれて、来年度以降の財政はどうなっていくのか。(調査の)交付金をうまく活用できればありがたいよねと。」
◇地図上では高評価
国は2017年、どの地域が処分場に適しているかを色分けした「科学的特性マップ」を公表。寿都町は火山などから離れ地盤が安定し、海からの輸送面でも好ましい地域とされています。
道は2000年、核のゴミを「受け入れがたい」とする条例を制定しており、鈴木知事は「条例を遵守しなければいけないと考えます」とコメントしています。
◇国は「歓迎」意向
一方で、梶山経済産業大臣は、歓迎の意向を示しました。
「寿都町をはじめ幅広い関係者の方々に関心を示してもらっていることは国として大変ありがたい。あくまでも次の段階に進むかどうかは別の話であります。」