中国・武漢市を訪れた神奈川県内の男性から、国内で初めて新型のウイルス性肺炎が確認されたことを受け、高松空港(高松市香南町)では水際対策を強めている。通常業務の入国者への体温測定に加え、体調不良者は申し出るよう促すなどして感染の拡大阻止を図る構えだ。中国などからの観光客が増える春節を控えており、県内の観光やホテル業界では今後の動向を警戒する声も出ている。
中国・上海や香港、台湾との直行便がある高松空港では新たにポスターを掲示し、中国でウイルス性肺炎の発症が相次いでいることを注意喚起している。
サーモグラフィーで体温を測定しているほか、「体調不良の方は検疫官に申し出るように」とのアナウンス回数を増やした。高松空港を管轄する厚生労働省広島検疫所(広島市)は「発熱など症状のある人がスムーズに医療機関を受診できるよう努める」とした。
上海線を週5往復運航している春秋航空は、チェックインカウンターでの体調チェックを念入りに行うなどの対策を始めた。上海などに2泊3日で出張し、16日に帰国した観音寺市の男性会社員(59)は、「仕事以外では人混みを避けるため、ホテルで過ごすように気を付けていた」と話していた。
宿泊業界は春節を控えていることもあり、気をもんでいる。韓国、台湾からの利用者が多い高松市内のホテルの担当者は「外国人客をメインにしているだけに、これまで以上にニュースをチェックしないと」と述べ、春節に向けてこれから中国人宿泊者が増えていくという別のホテルは「インフルエンザなどの感染症に普段から気を付けているが、今まで以上に注意を払いたい」と強調。保健所など関係機関と連携して対応に当たっていくとした。