柔軟に変化できる時期にこそ
高校生で留学する人の割合が日本でどれぐらいか、知っていますか? 文部科学省の調査によると、全体の約1%に過ぎません。3カ月以上の長期間になると、0.1%と、さらに少なくなります。
この数字を見て、「特別な人が行くものなら自分には必要ない」「大学に入ってから考えればいい」と思ってしまうのはもったいない。10代半ば~後半という年代は、自分で考える力を育み、大人になりつつも、まだまだ柔軟に変化できる、特別な時期ですから。
高校留学を控えた学生が出発前のオリエンテーションでよく言うフレーズの一つに、「〇〇(国名)人になって帰ってきます!」があります。留学先のコミュニティー(地域社会)にどっぷりつかって、見るもの、聞くもの、触れるもの、何でも吸収するぞ!という意気込みの表れです。
私は、移住を前提としているケースを除き、大学生以上で留学した人からこういう言葉を聞いたことがありません。理由は、その国の人と同じように生活しなくても、ある程度自分の力とペースで生活できてしまうからだと思います。
でも、周りの助けがないと生きていけない高校生はそうはいきません。ここに高校生という年代で留学することのユニークさが凝縮されているように思います。
今まで当たり前だと思っていた世界とは違う社会があることを知ると、見える景色がガラリと変わります。そして、現地の人々と日常を共にする中で、「こんな生き方もあるんだ」と感じることは、皆さんの心を「こうであるべき」という固定観念から解放し、自由にしてくれるでしょう。
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藤澤紀子 AFS日本協会広報、AFS日本協会は高校生向け留学プログラムの提供などで約60年の実績があります。
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