坂出市は「瀬戸内国際芸術祭2019」の春会期に合わせて、同市寿町の市民美術館で初めて「春の芸術祭」を開く。東京在住のスケッチ画家・ごとうゆきさんが市内の風景を描きためた水彩画と、市内の造形作家・岡山富男さんの作品を4月20日から5月12日まで展示する。
4月26日開幕の瀬戸芸春会期では、坂出市は沙弥島が会場で、瀬居島でも神戸芸術工科大アートプロジェクトが開かれる。春の芸術祭はこれら瀬戸芸関連事業に市民美術館も連携し、市街地でもアートの祭典を盛り上げようと、初めて企画した。
ごとうさんはクレイドール作家や旅のスケッチ画家として活躍している。今回の瀬戸芸を見据え、坂出市から「坂出の四季折々、昭和の風情を残す風景スケッチ」の制作を依頼され、2年がかりで水彩スケッチ画に取り組んできた。
一連の作品は題して「坂出点描45景」。映画のロケでも使用された築港町のレトロ建築・旧港務所や沙弥島から臨む瀬戸大橋、うどん店のにぎわいなど、市内の風景が味わい深いタッチで描かれている。来春の新庁舎完成後に解体される現市役所のスケッチ画を現在制作中で、近く「45景」が完成するという。
記者発表が13日に市内であり、ごとうさんは「迷路のような路地に入ったり、古民家の前で立ち止まったりと、生活感の漂う場所をかぎ分けて描いた。『これはどこだろう?』と市民の皆さんらに楽しんで見てもらいたい」と抱負。綾市長は「素晴らしいスケッチ画を仕上げていただいた。瀬戸芸の会場とともに、美術館でも芸術に親しんでほしい」と語った。
岡山さんはユーモラスな動物の造形作品を出展する予定で、美術館前の鳥瞰庭に「ゆかいな動物園」として展示される。
外部リンク