香川を訪れるインバウンド(外国人訪日客)が好調に推移する中、県教委は、これまで保護的な意味合いが濃かった文化財について、観光やまちづくりへの活用を後押しする。県内にある国宝や重要文化財など50件を紹介する多言語対応のウェブサイトを新設。歴史や芸術的価値を外国人客らに積極的に発信し、誘客拡大につなげる考えだ。
文化財の保護と活用を両立することは、地域活性化や経済効果が期待できるとして政府が推進。今年4月には、文化財を生かした地域振興を促す改正文化財保護法が施行されている。
県教委によると、これまで県の観光サイトなどで文化財の一部は紹介されていたが、ネット検索を多用する外国人や県外客らに対して積極的に情報発信するツールはなかった。
新設したサイトは「さぬき歴史文化探訪ナビ」。国宝や重要文化財、史跡、特別天然記念物などを▽建造物▽美術工芸品▽民俗文化財▽記念物▽四国遍路-の5ジャンルに分類して紹介。日本語のほか、英語、中国語、韓国語に対応している。
高松市にある国の特別名勝・栗林公園や屋島、琴平町の旧金毘羅大芝居など観光地としてメジャーなものにとどまらず、国宝・神谷神社本殿(坂出市)や、中世ヨーロッパの古城を思わせる豊稔池堰堤(えんてい)(観音寺市)などを掲載。外国人や県外客らに価値や見どころが分かりやすく伝わるよう、写真は空撮などを交えて多用し紹介文も簡潔にまとめた。訪れやすくするためグーグルが提供する地図サービスで位置も表示。スマートフォン向けサイトも開設している。
サイトを紹介するチラシを5千部作り、高松空港や駅などに配布する予定。県教委生涯学習・文化財課は「香川の文化財の魅力をより多くの方に知ってもらえれば」としている。
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