26日に開幕する「瀬戸内国際芸術祭2019」の小豆島会場のメイン作品の一つで、台湾の作家・王文志(ワンウェンチー)さんが小豆島町中山地区で制作を進めてきた「小豆島の恋」が完成。17日に関係者を招いてお披露目会が開かれた。参加者は圧倒的な大きさの竹の建築物に「すごいのが出来上がった」と感嘆の声を上げた。
王さんが瀬戸芸に参加するのは、2010年の初回から4回連続。いずれも同地区で竹を使った作品を手掛けており、今回は地元住民らが切り出した4千本以上の竹を使い、小豆島とのつながりをテーマにした「小豆島の恋」を3月11日から制作してきた。
作品は、高さが約15メートルあり、三つの空間に分かれている。中心となる空間は編んだ竹で覆われたドーム状で、竹を並べた床に寝そべると、覆われた竹の編み目から差し込む柔らかい日差しを存分に感じることができる。石の産地として知られる小豆島にちなみ、入り口から出口にかけて大きな石を1個、2個、3個と順番に配置し、人と人のつながりが末永く続くことなどを表現したという。
お披露目会には行政関係者や地元住民ら約100人が参加した。竹の伐採で毎回協力している中山自治会の井口平治会長(69)は「王さんの技術力はすごいと改めて思った。熱意や愛も感じられ、大変感動している」と4回連続の制作に感謝の意を示した。松本町長は「瀬戸芸が開幕すると大勢の人が訪れるが、王さんの作品とともに棚田の景観も見ていただきたい」と述べた。
テープカットして完成を祝うと、参加者は王さんの案内で作品の内部を見学。王さんは「中心となる空間では自由に寝転がり、心の声に耳を澄ませてみて」と楽しみ方を紹介した。
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