田んぼに空想世界を表現―。善通寺市下吉田町の水田に、色の異なる古代米で描いた恒例の「田んぼアート」がお目見えした。今回のテーマは「ファンタジー」で、児童文学の主人公や月、ロケットを表現。見頃を迎えた巨大な地上絵が訪れた人を楽しませている。
田んぼアートは、同市稲木町の農業石井孝好さん(72)をリーダーとするグループが2005年から制作。約500平方メートルの水田を利用し、これまでに昆虫やクジラ、宇宙飛行士などをデザインしてきた。
今年は子どもたちに夢を与える作品にしようと、児童文学「ニルスのふしぎな旅」に登場するガチョウに乗ったニルス少年、月、ロケットを配したデザインを採用。石井さんと、高松や三豊、観音寺の各市などから幼児~70代までのメンバー約20人が集まって5月11日に田植えを行った。
それぞれの形は緑、黄、白、紫の4色の古代米の苗を植え分けて表現。ガチョウに乗って大空を飛ぶニルス少年に、月がウインクしている様子が空想世界ならではの表現で何とも愛らしく仕上がっている。一目見ようと訪れた市民らからも「色がきれいで分かりやすい」などと早速、好評を集めている。
作品はお盆ごろまでが見頃。古代米は苗の色によって成長の早さが異なるため、刈り込み作業を行いながら来年3月まで残すという。石井さんは「今年もきれいに仕上がった。古代米の中でも黄や白色は珍しいのでじっくりと見てもらえれば」と話していた。
場所は吉田八幡神社の東約50メートル。水田の脇には田んぼアートを上から楽しんでもらおうと展望台を設置している。
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