写真は、『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(祥伝社)
インタビューにこたえる大木亜希子さん(2019年11月14日BOOKウォッチ編集部撮影、以下同)
「一般常識を身につけたいと25歳でアイドルを辞め、会社員になりました。芸能では花は開かなかったけれど、仕事ができてハイスペックな男性を捕まえて......、キラキラしなきゃいけない義務感と虚栄心にさいなまれていた日々がありました」
そんな日々をつづる中で、本書に出てくるのが「ノルマ飯」という言葉だ。
「プライベートでは、素敵な人に出会わなければいけない、そのために男性と食事に行くことを影で『ノルマ飯』と呼んでいました。ひたすら予定を埋めることで、積極的に行動していれば30歳手前までには結婚できるだろうと、どこかで安心したかった。でも現実は、彼氏もいなく、自分の目標がはっきりしていない、周りからどう見られているかを気にして、他人と比較ばかりして、落ち着ける場所も時間もなかった。ぐちゃぐちゃな生活でしたね」
駅のホームで突然「人生が詰んだ」
「頑張りすぎて、苦しくなる一方だった。頑張っても、頑張っても、どこにも正解の自分がいなかった。プライベートでは恋愛もしっかりしなきゃいけない、20代後半の焦りがずっとありました」
と大木さんは、当時を振り返る。
「私と同じように考えている女性がいたら、気づいてほしい。人に言えないような恥ずかしい悩みや欲求、こういう男性と付き合いたいとか、友だちの結婚が素直に喜べないのは誰しも思っているから大丈夫だよって伝えたい。誰かの気持ちが少しでも軽くなれば。そういう思いもあって書きました」
(第2回につづく)
プロフィール
大木亜希子
1989年生まれ。15歳から芸能活動をスタートさせ2005年にドラマ「野ブタ。をプロデュース」(日本テレビ系)で女優デビュー。2010年、20歳でアイドルに転身しタレント活動と並行してライター業も開始。15年からは会社員として執筆業務を担当し、18年にライターとして独立。著書に『アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア』(宝島社)がある。新著『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(祥伝社)の内容は祥伝社のウェブマガジン「コフレ」で一部公開されている。
(BOOKウォッチ編集部)
書名: 人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした
監修・編集・著者名: 大木亜希子 著
出版社名: 祥伝社
出版年月日: 2019年11月30日
定価: 本体1,400+税
判型・ページ数: 四六判
ISBN: 9784396617103