リンキン・パークの所属するレーベルであるワーナー・ブラザーズ・レコードの会長兼CEOのキャメロン・ストラングが、リンキン・パークのフロントマン、チェスター・ベニントンの死を伝える声明を発表した。
「チェスター・ベニントンは非常にタレント性とカリスマ性のあるアーティストであり、大きな心と思いやりを持った方でした。我々の心は彼のご家族、バンドメイト、そして彼のご友人たちと共にあります。そして我々ワーナー・ブラザーズ・レコードは深い悲しみに暮れる世界中のファンたちにもお悔やみを申し上げます。チェスター、君を愛しているよ。そして君は永遠にみんなの心に残り続けるだろう」
The Associated Pressによると、チェスターの死因は自殺によるものだったということが確認されている。また法執行機関がTMZへと提供した情報では、チェスターは現地時間7月20日の朝9時にロサンゼルスにある自宅で遺体で発見されたという。
チェスターの死が公に伝えられた直後、リンキン・パークで同じくフロントマンを務めるマイク・シノダもツイッターにてチェスターの訃報が本当であることを認めた。
「とてもショックで打ちひしがれている。でもニュースは本当です。正式な声明は完成次第、発表します」
また、リンキン・パークでベーシストを務めるデイヴ・フェニックス・ファーレルは、シンプルに「非常に悲しい」とツイートをした。
チェスターは、幼いころに受けた性的虐待から精神的に患い、薬物とアルコールの中毒に悩まされていた過去がある。最新アルバム『One More Light』の収録曲「Heavy」のミュージックビデオでも、再起を図ろうとする自分と、中毒症状から抜け出せないもう一人の自分との葛藤が描かれている。チェスターは2度の結婚を経験しており、それぞれの妻との間に合計で6人の子供がいる。
5月に、80年代後半から90年代にかけてグランジ・ロックの先駆者として活躍していた世界的ロックバンド、サウンドガーデンのフロントマンであるクリス・コーネルも自殺で亡くなっている。チェスターとクリスは非常に近しい友人同士であったと知られており、チェスターはクリスの葬式でもパフォーマンスを行った。そして、チェスターが自殺を図った7月20日は、生きていればクリスが53歳の誕生日を迎える日であった。
20年前にデビューして以来、リンキン・パークは世界で最も有名なロック / ニューメタルバンドに成長を遂げた。彼らのデビューアルバム『Hybrid Theory』は2000年代で最も売れたアルバムとなり、続く2003年に発表されたセカンド・アルバムの『Meteora』は「Numb」や「Breaking the Habit」といった、誰もが知っているヒット曲を生み出した。さらに2004年にはジェイ・Zとのコラボアルバム『Collision Course』でもヒットを飛ばしている。
今年2017年には、5月に発表したアルバム『One More Light』のリリースを皮切りに3年の活動休止期間からカムバックを果たし、ビルボード 200でバンドで通算5枚目となるNo.1を獲得。同アルバムのタイトルにもなっている「ONE MORE LIGHT WORLD TOUR」の開催中で、来週から29日間にわたる北アメリカでのツアーが始まる予定であった。
また、チェスターの訃報が伝えられるほんの数時間前には、『One More Light』の収録曲「Talking to Myself」のミュージックビデオが発表されたばかりだった。
MTV NEWS