あなたに手紙を書きます。過干渉の親のあなたに手紙を書きます。
社会に出ると、こんな会話を耳にします。「あの人はどうして自分の意見をちゃんと言えないんだろう」「仕方ないよ。たぶん、過干渉育ちなんだよ」と。実際のところ、その人が過干渉の親に育てられたのかどうかはわかりません。
しかし、自分の意見が言えない人を、消極的とか、内気とは言わず、「過干渉育ち」ととらえることが年々増えてきたように思います。大学で教える身としてそれを肌で感じています。
子どもの行動を管理したり、つき合う友だちを選んだり、親の過干渉の弊害については、今さら私が述べるまでもないでしょう。問題は、「わかっているのに過干渉をやめられない」、あるいは「自分が過干渉だと気づいていない」あなたの精神性にあります。
では、どうすれば過干渉からぬけ出せるのでしょうか。過干渉にならずにすむのでしょうか。
方法があります。英語の「andyou?」を使ったやり方です。「で、あなたはどう思う?」と最後に必ず相手の意見を聞く話し方。ビジネスの教育現場で使われる手法ですが、十分に子育てでも使えます。
親の意見を押し通したいと思った時でも、必ず最後に「あなたは、どう思う?」と、子どもの意見を聞くこと。このひと言だけで過干渉はかなり軽減されます。
子どもの人格を認め、意見を述べる場を必ず用意する。努めてほしい態度です。
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ひきた・よしあき 博報堂のスピーチライター、博報財団コミュニケーション コンサルタント
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