語学力や広い視野 経験はプラスに
中高生の悩みについての調査やアンケートを見ると、その上位には必ず進路・進学が入っています。進学のための勉強に日々向き合う中で、日本を離れる「留学」という選択はアリなのかナシなのか?
高校留学した先輩の中には、大学受験を心配する学校の先生に最初は反対されていた、という方も実は結構います。そこで、留学が大学受験にどのように影響しているか、先輩たちの声を聞いてみましょう(AFS日本協会による「進路についての帰国生アンケート」から)。
留学した高校生は海外の大学に進学している、というイメージがあるかもしれませんが、帰国後は約9割が日本の大学に進学しています。
「将来海外で仕事してみたいと思うか」という質問にも、約9割近くが「はい」と答えています。海外への関心は持ち続けつつも、まずは日本で、母語で、基礎を学びたいと考える方が多いようです。
「留学したことで大学入試に役立ったと思うこと」という質問で、最も多かった回答は「語学力」でした。英語圏はもちろん、留学先が英語圏でない場合でも、外国語はこう学べばいいという感覚と方法がわかっているので、帰国後は効率よく英語学習ができたという話はよく聞きます。
次いで多い回答は「広い視野・グローバルな視点で物事を考えられるようになったこと」。主に大学や学部選びに影響しているようで、偏差値ではなく、自分が学びたいことを学べる環境を探そうという姿勢につながっています。
「人に語れる経験ができてアピールできるようになった」という回答も目立ちます。特に推薦・AO入試では自己PRが必須ですが、そのための材料には事欠きません。
そして「壁にぶつかっても我慢強く努力したことで、心が折れにくくなった」「親元を離れてさまざまな経験をしたことで自信がついた」といった精神面の成長が、長い受験期を走り抜く支えになったという声も多く聞かれます。
こうしてみると、留学は大学受験にむしろプラスなのかもしれません。
(AFS日本協会広報・藤澤紀子)
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