2018年に県警が摘発した児童虐待事件は、前年(15件)の約2・5倍増の37件で、統計を取り始めた12年以降、最多だったことが14日、県警のまとめで分かった。暴行や傷害など「身体的虐待」が全体の7割を占めたほか、緊急性が高いとして県警が保護した子どもは前年比80・6%(25人)増の56人に上った。
県警少年課によると、摘発した37件のうち、身体的虐待が26件で最多。強制わいせつなど「性的虐待」が8件、保護責任者遺棄など「ネグレクト(育児放棄)などの怠慢・拒否」が2件。児童相談所への通告件数の中で最も多い「心理的虐待」は1件だった。
緊急性が高いとして県警が保護するのは、虐待の通報や相談を受けた中で命に危険があるなどと判断した場合や、夜間などで児相が即応できなかったケース。虐待への関心が高まり、積極的に情報が寄せられるようになったことなどから、前年より25人多い大幅増につながったとみられる。
このほか、摘発人員も3年ぶりに前年を上回り、過去最多の39人。被害者との関係は、実父が17人で最も多く、実母9人、養父・継父8人などとなっている。
県警は善通寺市から東京に引っ越した船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=が18年3月、両親からの虐待で死亡した事件を受けて、県の児相との連携強化を図る協定を締結。来年度から児相に警察官を常駐させるなどの対策も講じた。同課は「児相との連携を一層深めることで、子どもの安全を最優先に発生抑止に努めたい」としている。
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