「自己分析」をしたことはありますか? 自分自身を見つめ直し、どんな人間なのかを考えることです。多面的な評価へと変化している入試に役立つだけでなく、将来を考えるきっかけにもなります。進学情報などを提供している「マイナビ進学」の吉野正利さんと武村勇二さんに、自己分析の方法を聞きました。(小勝千尋)
過去振り返り、深く掘る
「大学受験は就職活動に近い形に変化しています」と吉野さん。入試改革が進められ、学力だけでなく多面的に受験生を見るようになりました。面接を受けたり、志望理由書の提出が求められたりします。高校受験でも、志望理由書を提出するところがあるといいます。
そこで役立つのが「自己分析」。自分自身の過去を振り返る作業です。「自分の強み、価値観、好きなことがわかってきます」
まずは、小学生の時を振り返ります。打ち込んだことは何か、どうして始めたのか、なぜ、どのように打ち込んだのか、そこから何を感じ、何を得たか、困難や悩みはあったか、どう乗り越えたか、どのような影響をもたらしたか――。深く掘り下げていきます。
このとき、紙に書き出すことがポイントです。中学、高校のことも同じように掘り下げます。
ただし、自己分析はあくまで自分から見た自分。次は「他己分析」をしてみましょう。家族や友達、学校の先生に、自分の長所や直した方が良いところ、役割などを質問します。武村さんは「集団生活におけるポジションや、自分が周りにどのような影響を及ぼしているかを知ることができます」と話します。
受験では、学校を分析することも大切です。大学のオープンキャンパスや高校のオープンスクールに行って先生や先輩に話を聞いたり、学校案内を見たりして、情報を集めます。分析した自分と合う学びが得られる場所を探しましょう。
意外な一面見えるかも
自分に何が向いているかよくわからないという人は「適性診断」がおすすめです。興味や自分の行動の傾向に関する質問に答えていくと、向いている職業や強みを教えてくれる診断です。「結果が思っていたのと違うと感じても、それを掘り下げてみてください。自分の知らない一面が見えてくるかもしれません」
吉野さんは「入学後、また大人になってから『違う道に進めばよかったな』と後悔する人が少しでも減ってほしい。受験がゴールにならないよう、自己分析をして、自分に合う学びを探してください」とエールを送ります。
「他己分析」で客観視
身近な人にこんなことを聞いてみましょう。詳しい理由も掘り下げて聞きます。
・私の長所やアピールポイントは何だと思いますか?
・私はどんなところを直したら、より良くなると思いますか?
・私はクラスや部活動では、どんな役割を担っていますか?
・私は一言でいえば、どんな人物でしょうか?
マイナビ進学のサイト「進路のミカタ」では、無料で「適学・適職診断」を受けられるほか、自己分析ができるワークシートなども公開しています。
『志望理由書の書き方と面接対策』(編著 マイナビ進学編集部、マイナビ)。自己分析の方法のほかにも、学部による志望理由書の書き方や面接対策を紹介しています
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