映画「君は月夜に光り輝く」で、死が近づくと体が発光する「発光病」をわずらう高校生・渡良瀬まみずを演じた。入院中のまみずが、自分の「かなえられない願い」をクラスメートの卓也に代わりにやってもらう「代行体験」を通じて、生きる喜びをとりもどしていく。
撮影現場でも「生きててよかった」と感じることが多かったという。卓也に手を引かれて病院の屋上へ上がる場面では、手をつないで体温を感じるだけで、ふしぎと涙があふれそうになった。「カットがかかったら、カメラマンさんが泣いていて。みんながつながっているような現場でした」
芯をもって生き通し、あとを生きていく人たちに強い気持ちを残していくまみずの姿は新鮮にうつる。それだけに「記憶に残るような映画になっているはず」と自信はある。
小学3年生のときにスカウトされ、芸能界入り。もともと興味はなかったが、バラエティー番組が好きだったこともあり「(スカウトされて)テレビに出られるんだ!と思ったんです」。しかしそんなにあまくはなく「事務所へ行ってみたら、同世代でがんばっている子たちがたくさんいて『え、どういうこと?』ってなりました(笑)」。
モデルと俳優業で経験を積み、去年はNHK連続テレビ小説「半分、青い。」で主役を演じきった。活躍が期待される若手俳優の一人としてめまぐるしい日々を送るが、ささいな幸せを感じることをわすれない。
「赤信号につかまらなかったり、晴れていたりするだけでうれしい。いつもの光景が今日もやってくるだけでうれしいです」
1999年9月24日生まれ、東京都出身。主な出演作に映画「帝一の國」「ミックス。」、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」など。映画「君は月夜に光り輝く」は15日公開。
(文・佐藤美咲、写真・品田裕美)
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