空からのたより
風かおる5月、一年の中でも過ごしやすい快適なシーズンです。みなさんは外でたくさん遊んでいますか?
すがすがしい季節である一方で、春から夏へ近づくこれからの時期、気をつけたいのが「急な暑さ」です。毎年5月下旬にもなると、最高気温が30度以上の「真夏日」の地点が出てくるのは東京など都市部でもありますが、時には35度以上の「猛暑日」を記録する地点が出始めるころです。
去年の夏、全国で過去の最高気温の記録を更新したのが埼玉県熊谷市で、41・1度まで上がりました。その熊谷のこれまでの5月の記録を見ると、5月中に35度以上の猛暑日を記録したことが3度ありました。これは極端な例かもしれませんが、全国各地で真夏のような暑さになる日が突然出てくるころです。
急な気温の上昇で気をつけなければならないのが「熱中症」です。気温が高くなると、私たちの体は体温の上昇をさけるために、汗をかくことで熱を外へにがし、体温を下げるように調節します。
日に日に暑くなると体が徐々になれてくるため、この汗をかく機能が上手に働いて体温の上昇をうまく防ぐことができます。ところが突然、一気に暑くなると、私たちの体は汗をかいて体温を下げる機能がまだうまく働かない状態であるため、体の中に熱がこもってしまい、熱中症になりやすくなってしまいます。
行楽シーズンで、炎天下で過ごしたり、スポーツをしたりする機会も多いと思います。気温が上がると予想される日は、熱中症対策をしましょう。外ではぼうしをかぶって、太陽の直射日光をさけるようにしてください。遊び続けないで、こまめに木陰や冷房のきいたすずしい場所で休憩を取り、水分補給をしてください。車での長時間の移動の際などには、風通しをよくしましょう。
6月に入ると、梅雨のシーズンがいよいよ本格化します。梅雨のようにじめじめむしむしと湿気が多い時期は、なかなか汗がかわかず体の中に熱がこもりやすくなるため、意外とあなどれません。
今のうちから汗がかわきやすい服装を心がけるなどして、熱中症対策を始めましょう。
石榑亜紀子 日本気象協会気象予報士 「TXNニュース」(テレビ東京系列)に出演中
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