空からのたより
みなさんは、かなえたい願いごとがありますか。勉強や進路のことなどで「こうなったらいいな」ということがあるかもしれませんね。
流れ星に3回お願いすると、願いがかなうといわれることがあります。でも、流れ星に3回もお願いするのは難しいですよね。流れ星はいつ見られるかわかりませんし、見つけてもすぐ消えてしまいます。
しかし、これからの季節はチャンスがありますよ。流れ星とは、宇宙にある小さなちりが地球の空気とぶつかって光が発生する現象です。きれいな流れ星を見るには大きく二つの条件があります。
一つ目は、月明かりや人工の光が少ないこと。人工の光とは、看板や街路灯など照明機器から出る光です。不必要な光は「光害」として、星が見えにくくなるのは、もちろんですが、植物や野生動物に悪い影響をあたえています。
二つ目の条件は、空気がすんでいること。空気がにごっているか、すんでいるかは、空気中にふくまれている水蒸気やちりなどで決まります。
空気中にふくまれている水蒸気やちりが少ないほど空気がすんでいるのです。空気は暖かいほど、水蒸気をふくむことができるのですが、冬は気温が低いため、夏に比べて空気の中の水蒸気が少なくなります。
そして、冷たい空気は上昇する力が弱いため、空気中にういているちりやほこりも上昇することができず、空に広がることができません。つまり、冬は寒いため空気中の水蒸気が少なく、ちりが広がらないので空気がすんでいるのですね。
冬は日の入りが早いため、星空を早くからながめることができます。寒くて、風がおだやかな晴れている夜は空気がすんでいるので、星がきれいに見えるはずです。見えにくい場合は、光害のせいかもしれません。光害が植物や野生動物にどんな影響をあたえているか、家族と話し合ったり、調べてみたりするのもいいですね。
12月にはふたご座流星群やこぐま座流星群などの流星群がやってきます。暖かい服装で夜空を観察してみてはいかがでしょうか。
南口侑希みなみぐち・ゆき 日本気象協会気象予報士 大阪府出身。気象予報士になることは小学生のころからの夢だった。仕事では、天気の解説だけでなく、モノの売れ方と天気の関係を調べている。
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