大学入試改革や新学習指導要領の導入など、これからの教育をめぐる、さまざまな動きが注目されています。そこで気になる「教育ワード」を、中学受験向けの模擬試験を実施する首都圏模試センターが解説します。
「クリティカル・シンキング」
かたよりがないか確認して思考
「批判的思考」ともいわれます。単に批判したり否定したりすることと取りちがえられることがありますが、本来は論理的な思考のうえに新たな考えや視点を加えた考え方のこと。ある考えに対し、誤りやかたよりがないかを確認し、さらによい考えがないかをさぐる思考法です。
一つの出来事でも立場や視点のちがい、情報との結びつけ方によって、さまざまな側面を見いだせます。たとえば同じニュースでも複数の記事をくらべると、新聞社によって受け止め方や重視する点に差があることがわかるかもしれません。
多様な観点に照らし合わせ、ものごとを深く考える姿勢がポイントになります。
「リベラルアーツ」
幅広い教養を身につける
「人間を束縛から解放し、自由に生きられるようにする学問」のことで、起源は古代ギリシャにさかのぼります。かつては「自由7科」と呼ばれ、文法、修辞(言葉による表現)、論理、算術、幾何(図形)、天文、音楽の習得をめざしました。一般教養が身につくとされ、リベラルアーツを掲げる大学も増えています。
複雑な現代では幅広い知識を持ち、さまざまな角度からものごとを考える力を持つ人材が求められます。環境や貧困、格差といった地球規模の問題をはじめ、国内でも少子化や高齢化など、これまでの「枠組み」では解決できない問題が山積みだからです。
これらに対処するうえで重視されるのが、リベラルアーツで養える「学び」ということができそうです。
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