相方を笑わせたら「勝ち」
昨年最もブレイクしたお笑い芸人と言っても過言ではない。松尾駿さんは美容家IKKOさん、長田庄平さんは狂言師・和泉元彌さんのモノマネで、テレビ番組などに出演。そのため、最近では街で「『どんだけ~』の人ですよね?」「元彌だ!」と声をかけられるそう。
モノマネの印象が強いが、コント日本一を決める「キングオブコント」で準優勝した実力派コント師でもある。コント披露中、印象的なのが互いのボケに本気で笑う姿だ。「ボケとツッコミに分かれていないので、自分がボケる時は長田さんを笑わせたいと思っていますね」と松尾さん。長田さんも「僕も、舞台上で一番、相方を笑わせたいと思っています。それは、相方がライバルでもあるから。松尾を笑わせたら『勝ち!』って思いますね」と笑う。
2006年にデビュー。所属事務所の後輩らが早くからブレイクする中、なかなか芽が出ずにいた。それでも、お笑い芸人をやめたいと思ったことはなかった。続けてこられた理由を尋ねると、「楽しかったから」と口をそろえる。ライブで直接お客さんの笑い声を聞いてきたことが支えになった。
松尾さんは中高生時代、女の子とほとんど話したことがなかったという。その経験がお笑いに生きている。「もてなかったコンプレックスがあるから、『もてたい』とがんばれるんです」。長田さんも「僕も同じ。でも、結果的にはそれでよかったのかもしれないと思います」。
売れっ子になっても、単独ライブを続けることが2人の目標。「ライブは、目の前にいるお客さんのリアルな反応がわかるのがいいですね。今後はライブに加えて、SNSやYouTubeでの発信にも力を入れていきたい」(長田さん)。「自分が楽しんでいる瞬間が一番うけるんです。だから、自分たちが『楽しい!』って思うことを続けたい。そうやって年を取りたいなぁ」(松尾さん)
メッセージ
今、少しでもやりたいことがあれば、迷わず何でも挑戦して!(長田さん)
もし、学校に行きたくなかったら行かなくていい。逃げても全然いいよ。(松尾さん)
長田庄平(左) 1980年、京都府出身。松尾駿(右) 1982年、神奈川県出身。2006年コンビ結成。持ちネタに「TT兄弟」など。(文・近藤理恵、撮影・関口達朗)
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