2019年度の日本新聞協会賞の授賞式が16日、宮崎市内で行われ、経営・業務部門に選ばれた四国新聞社の「キャンペーン 健康は子ども時代から~血液異常・ゲーム依存症対策への取り組み~」などが表彰された。連載企画やDVD作成、イベント開催などの多様な取り組みを通じて、幼少期から規則正しい生活を送ることの大切さを地域に浸透させた点が高く評価された。本紙の新聞協会賞受賞は初めて。
新聞協会賞は「経営・業務」「編集」「技術」の3部門があり、今年は計106件の応募から計6社・7件が選ばれた。授賞式は日本新聞協会が主催する第72回新聞大会に併せて行われた。
授賞式で、同協会の山口寿一会長(読売新聞グループ本社社長)から賞状とメダルを授与された四国新聞社の粂井弘之編集局長は「子どもの健康を守りたいとの強い思いで、紙面企画やDVD、健康本の作製など多角的に取り組んできた。高い評価に感謝し、これからも地域に根差したメディアとして努力を重ねたい」とあいさつした。
四国新聞の企画では、糖尿病死亡率や健康寿命がワースト上位という県民の課題解決に向け、幼少期からの生活習慣の改善を提案。全県的に行っている小学4年生対象の血液検査や若者への広がりが懸念されるゲーム依存を取り上げ、食事や睡眠などの生活改善策のほか、ゲームのし過ぎが健康に与える危険やルールづくりの重要性を訴えた。紙面にとどまらず、小学校などへの啓発冊子やDVDの配布、医療関係者向け講習会、縄跳び大会の開催など、取り組みは広がりをみせている。
選考では、「重層的な展開で教育現場に浸透し、家庭や親子に大きな反響を呼ぶとともに、児童の血液検査結果の改善、県議会による全国初のゲーム依存防止条例制定の動きなど、具体的な成果にもつながった。地方紙ならではの実践的な取り組みで、新聞の信頼や価値向上に貢献した」との評価を得た。
四国新聞社以外に、編集部門は共同通信社、秋田魁新報社、毎日新聞大阪本社、日本経済新聞社が、技術部門は朝日新聞社、経営・業務部門では日本経済新聞社が受賞した。
外部リンク