国際的なピアノコンクールを舞台にした映画「蜜蜂と遠雷」で、主役の栄伝亜夜役を演じた。
原作は、恩田陸さんの同名の小説。読んでみて「感じたことのない『体験』をさせてもらった小説」だといい、映画化にあたっては「恩田さんにも納得してもらえる映画を作らなければという使命感が強かった」という。
自分を「読書っ子」だという。ふだんから、話題になっている本やまんがをチェックしている。仕事の合間に読み進めているが、「一人の作家さんを好きになると、その人の作品を全部読みたくなってしまうので、(読まずに置いておく)『積ん読』は日々増えちゃうんですが」と笑う。
亜夜は、コンクールの出場者の一人。ピアノの演奏シーンが多いが、中でも、プロコフィエフという作曲家の「ピアノ協奏曲第3番」は、物語のクライマックスをかざる重要な曲だ。
ピアニストの河村尚子さんが演奏した音源を流しながら、松岡さんがピアノをひく演技をして撮影された。
「ひき方や、パッション(情熱)の感じは演奏者によってちがうので、河村さんだけでなく、いろいろな方が演奏している動画を見て勉強しました」
自身も小学生のときにピアノを習っていた。思い出深いのは発表会で、2台のピアノを4人でひく連弾に挑戦したこと。
松岡さんが担当したのは、伴奏の低音部分。「主旋律担当の子が輝けば輝くほど楽しかった」といい、「そのころから、真ん中に立つよりは、だれかをサポートするのが好きだったんだな」と分析する。主演を務めたにもかかわらず、意外な一面を教えてくれた。
1995年2月16日生まれ、東京都出身。主な出演作にNHK連続テレビ小説「あまちゃん」、映画「勝手にふるえてろ」「万引き家族」など。公開待機作に映画「ひとよ」がある。映画「蜜蜂と遠雷」は4日公開。(聞き手・八木みどり、撮影・慎芝賢)
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