櫻坂46と日向坂46が7月9日から11日の3日間、富士急ハイランドコニファーフォレストにて合同の野外ライブ「W-KEYAKI FES.2021」を開催した。
欅坂46から櫻坂46へ、けやき坂46から日向坂46へ、とそれぞれグループ名を変更。いわば1本の欅から生まれた2グループが「W-KEYAKI FES.2021」のタイトルのもと、かつてライブイベント「欅共和国」を行った“聖地”ともいうべき富士急ハイランドコニファーフォレストに集結した。初日は櫻坂46がメンバー勢揃いで初の有観客ライブを、2日目は日向坂46がグループ初となる野外ワンマンライブを、最終日は2グループが交互に楽曲を披露した。
初日は序盤こそ雨に見舞われたものの、櫻坂46は天候に左右されることなくパフォーマンスを行った。曲間にダンストラックを挿入するなど、シームレスな展開も。また、この日は春から休養中だった尾関梨香もライブに復帰し、元気そうな笑顔を観客に届けた。ライブ後半からは濃霧もステージ演出に味方し、幻想的な世界観とクールかつ熱のこもったダンスによってグループ初の単独公演を終えた。
初日とは打って変わり、晴天に恵まれた2日目。照りつける太陽とどこまでも広がる青空のもと、日向坂46は期別楽曲を含む最新シングル「君しか勝たん」からのナンバーや、ヒット曲の数々を連発。ファンのことを“おひさま”と呼ぶ彼女たちにとって絶好の舞台となった富士急ハイランドコニファーフォレストにて、トロッコなどを用いたハッピーオーラ全開のパフォーマンスを見せた。
最終日となる3日目は、初の試みとなる櫻坂46と日向坂46の合同ライブ。幸運にも2日連続で晴天のもと行われたこの日のライブは、まずオープニングで両グループのメンバーがステージ上に一堂に会し、ライブへの意気込みを語った。それぞれのグループカラーである桜色、空色が施された衣装を着たメンバーは「いつか合同でやれたらと思っていたけど、こんなに早く実現するとは」(佐々木久美)、「今年の夏一番の思い出になるように」(井上梨名)と思い思いのコメントを寄せた。
この日は櫻坂46と日向坂46が交互に楽曲を披露する形でライブは進行。まずは櫻坂46が「それが愛なのね」からライブを開始し、3チーム制の強みを発揮させる。この曲では早くもウォーターショットで会場中をびしょびしょに。
「なぜ恋をして来なかったんだろう?」ではMVさながらの糸を使ったパフォーマンスも用意され、序盤から櫻坂46のファン・Buddies、そして日向坂46のファン・おひさまを熱狂させた。続く日向坂46は「ドレミソラシド」で、一体感の強いチーム総力戦を展開。今回の合同ライブでは小坂菜緒が休養中ということで、同曲での丹生明里をはじめ東村芽依、金村美玖、渡邉美穂&上村ひなのが代理センターを担当し、全力のパフォーマンスでオーディエンスを惹きつけた。
各グループの転換時にはMCも用意。櫻坂46の森田ひかるは前日に20歳の誕生日を迎えたことを受け、「初日は10代最後のライブ、今日は20代最初のライブです。今日は大人の森田をお見せできたら」と挨拶し、会場がひとつとなって彼女の誕生日を祝福した。また、日向坂46のパートでは会場両サイドに分かれて大きなウェーブを作るなどして、会場の一体感を高めていく。さらに、この機会に親密になった両グループの交流に触れつつ、さまざまなエピソードが明かされた。
ライブはその後も両グループの個性を強く打ち出したステージを展開。センターステージや会場両サイドに設置されたサブステージ、それらをつなぐ花道を使い、曲によってはウォーターショットや噴水、炎などの演出が用意された。
櫻坂46が「偶然の答え」を披露する頃になると空に夕日が差し始め、楽曲の持つ切なさをより強めていく。一方で、日向坂46は「青春の馬」で情熱的なパフォーマンスで場内の熱気を一気にヒートアップ。続く櫻坂46は「思ったよりも寂しくない」でピースフルな空気を作り上げるなど、グループが入れ替わるたびに場の空気が一変し、それぞれが持つ強い個性を提示した。
会場が暗くなり始めたタイミングに日向坂46が披露した「JOYFUL LOVE」では、Buddiesとおひさまが一丸となって会場を虹色のペンライトで染め上げ、続く「君しか勝たん」でセンターの加藤史帆を中心に、場内にハッピーオーラを充満させた。
ライブも終盤に差し掛かると、両グループのキャプテンである菅井と佐々木が2人でMCを務めた。それぞれ新たな衣装に着替えた2人は、お互い初日、2日目の単独公演を観た感想を伝え合う。佐々木が「櫻坂46さんは美しく、神々しい」と口にすると、菅井は「日向坂46で好きな曲は“青春の馬”。いつか私たちも(タイトルに)“馬”が入った曲が欲しい」と語り、場を和ませた。
そしてライブはクライマックスに。櫻坂46が「Nobody's fault」でクールかつパワフルなパフォーマンスで場の空気を一変させると、続く日向坂46はダンサブルな「キツネ」で観客の高揚感を煽る。また、櫻坂46が「Buddies」でBuddies&おひさまの心をひとつに束ねると、これを受けて日向坂46は「NO WAR in the future 2020」でその一体感をさらに強固なものにする。さらに櫻坂46が「BAN」で会場一面を赤いペンライトで染め上げると、今度は日向坂46が「誰よりも高く跳べ!2020」で場内の熱気を最高潮にまで到達させ、お互いのパフォーマンスの相乗効果で最高の瞬間を迎えた。
最後は両グループのキャプテンが挨拶。菅井が「お互い改名したけど、根っこは同じ」、佐々木が「これからもお互い高みを目指していきたい」と語り、2グループでは久しぶりの披露となる「W-KEYAKIZAKAの詩」を全員で歌唱。会場中が2グループの放つピースフルな空気に包まれ、盛大な花火とともに3日間におよぶ「W-KEYAKI FES.2021」は幕を下ろした。