初代タイガーマスクの佐山サトルが生み出した女性版タイガーマスク「タイガー・クイーン」が10月21日、長与千種率いるMarvelousのエース、彩羽匠と対戦し、新技のタイガースープレックス2021を繰り出し勝利を収めた。
タイガー・クイーンはこの日、「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレス Vol.13~初代タイガーマスク40周年記念第3弾」(東京・後楽園ホール)でダブルメインイベント第1試合に出場した。これまで7月のデビュー戦からシングル2試合、今月10日にはストロングスタイルプロレスが協力体制を組む「ワールド女子プロレス ディアナ」の後楽園大会で師匠・ジャガー横田を相手に初のミックスドタッグマッチに出場。今回はデビュー4戦目となる。
カードが決まってから“佐山が生み出した”タイガー・クイーンと“長与の遺伝子を継ぐ”彩羽という図式に大きな注目が集まっていた。
試合が始まると軽やかなタイガーステップを踏むタイガー・クイーンに対し、彩羽はいきなり蹴りを放つなど長与をほうふつとさせる動きを見せる。
彩羽に闘争本能を引き出されたタイガー・クイーン
序盤はタイガー・クイーンが足を取らせてからのスピンキック、場外へ落ちた彩羽へプランチャーと見せかけてロープの間をくるりと回るタイガーフェイント、コーナートップから場外へのラ・ケブラーダといったタイガー殺法で彩羽を攻め込んでいく。しかし彩羽も水面蹴り、ボディーへの強烈なソバット、座らせたタイガー・クイーンの背中へのサッカーボールキックといったシビアな打撃、そして逆エビ固めでタイガー・クイーンを追い込んでいく。これにはタイガー・クイーンも前方回転のかかと蹴りを彩羽の背中に見舞って反撃。
彩羽に闘争本能を引き出されたタイガー・クイーンは初代虎のシューターとしての代名詞ともいえる技、チキンウイングフェースロックで絞り上げ、フルスイングのエルボーバット。しかし彩羽は張り手からニールキック、そしてサソリ固めを繰り出していく。ここもなんとかサードロープに手を伸ばしたタイガー・クイーンだったがダメージは大きい。
彩羽はジャンピングハイキックからコーナートップに上るとスワントーンボム。なんとか返したタイガー・クイーンを彩羽はスプラッシュマウンテンの体勢に担ぎ上げるが、ここはタイガー・クイーンが空中で回転し着地。ソバット、ネックチャンスリー、そしてスワントーンボムをお返しもこれはかわされてしまう。
華麗さに加え“強さ”や“怖さ”も見せる
彩羽はハイキックの連打から餅つきパワーボム。3発目はシットダウン式で決め、フォールもタイガー・クイーンはなんとか肩を上げる。彩羽は再度スプラッシュマウンテンの体勢も、ここもなんとか脱出したタイガー・クイーン。彩羽はジャーマン、そしてラリアットもこれをかわしたタイガー・クイーンは初代虎がデビュー戦でダイナマイト・キッドを破った高角度ジャーマンスープレックスホールド。返されるとツームストーンパイルドライバー、そしてタイガースープレックスでフィニッシュを狙うが彩羽は投げさせない。ならばとタイガー・クイーンはスタンドでのスリーパーホールドから、右腕で首、左腕で彩羽の左腕を極めるとそのまま後方に投げ、がっちり固めるタイガースープレックス2021。彩羽は足をばたつかせなんとか返そうとするも首と腕のホールドががっちりと極まっており返せず、3カウントを聞いた。
この日はフィニッシュはもとより、チキンウイングフェースロックといった格闘技系の技も繰り出すなど、これまでの華麗さに加え“強さ”や“怖さ”も見せたタイガー・クイーン。現在の女子プロレス界でも屈指の実力者である彩羽を破り、今後どのようなファイティングロードを歩んでいくのかが、これまで以上に気になるところとなった。
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