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アフターコロナにおけるLINE公式アカウントミニアプリ・Yappliを活用した新しいコミュニケーション術 ウェビナーレポート

アフターコロナと呼ばれる現代では、消費者の行動と価値観が大きく変化しています。そういったなかで「企業のDXを推進していくにも何から始めれば良いかわからない」という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

2021年8月6日にLINE株式会社(現 LINEヤフー株式会社)兼清様、株式会社ヤプリ 湯浅様をお迎えし、アフターコロナにおける企業の課題や最新事例、現状の課題解決に向けたソリューションパッケージについてご紹介するウェビナーを開催しました。本記事ではその内容をお伝えします。


※2023年10月更新

目次[非表示]

  1. 【第1部】アフターコロナ以降で変化した消費者の行動と価値観
  2. 【第2部】LINEミニアプリの最新の利用状況、活用事例をご紹介
  3. 【第3部】ノーコードプラットフォームで実現する最適な自社アプリ開発
  4. 【第4部】アフターコロナにおけるオンライン~オフラインを横断した集客と売上拡大
  5. 質疑応答まとめ

【第1部】アフターコロナ以降で変化した消費者の行動と価値観

岩井 拓也
トランスコスモス株式会社
デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括
DX推進本部 DECSol統括部 LINE推進部


ワクチン接種が順調に進み新型コロナウイルス感染症がある程度コントロールできるようになり、消費者が自由に街中に出て消費行動が出来るようになる時代、いわゆるニューノーマル時代になると、消費者の行動と価値観は大きく変化します。

インスタライブやYouTubeの配信での投げ銭など好きなことに対する消費行動、限定された非再現性の空間で、参加することに価値がある、主体的に参加できる、盛り上がりに貢献できるといった、特定の瞬間・場所・人でしか経験できないような価値に対する「トキ消費」と、SDGsの観点から環境保全・地域貢献・公平性の維持といった商材の社会的・文化的な価値を理解し、共感できるかを重要視する「イミ消費」の2つについてはこれまでの価値観から大きく変化していくと考えられます。

また、今までは、仕事をするにしても決められた時間に決められた場所へ出社し、決められた時間拘束され、限りある時間をいかに有効活用できるかを重視されるため生活行動は自ずと高速化していました。しかしこれからは、決まった時間と場所からの解放が進み、例えば仕事は在宅勤務などが主流となり、会議やセミナーをリモートで行う企業も増えています。

さらに、自身の行動をマルチタスク化し、例えばセミナーを聞きながらランチを食べるなどして自ら時間を作り出していきやすく、子育て世代なら在宅で子どもの面倒を見ながら普段通りの業務を行えるようになるなど、生活様式の再編が大きく進んでいきます。

そういったなかでアフターコロナを意識したマーケティング戦略は以下のようなものが重要になっていきます。


・不便益性を活用する

アフターコロナでの生活様式は、ビフォーコロナだったころの状態には完全には戻らないと言われています。例えば、通勤はもともと不便なものだと思っていた人は少なくないかと思いますが、それでも当たり前のようにやっていたことでした。しかし、テレワークが一度普及した以上、通勤は明確に不便なものであると感じる人はさらに多くなり、通勤せざるを得ない職種の人であってもこれまで以上に通勤時間を有益なことに使いたい、不便のなかにも楽しみを見出したいといった需要が生まれています。こういった需要に対して、企業はいかに有益なサービスを提供できるか、新たな体験を生み出せるかが重要になってきます。


・業種の垣根にこだわらない

昨今では、従来の業種から逸脱した事業を始める企業が成功する傾向にあります。喜びの提供や不快からの解決といったマーケティングの基本から出発し、成功した事例としては、ネスレ日本と国際自動車グループのケイエム観光バスのコラボレーションなどがあげられます。これは不便をより楽しく感じてもらう、そこに価値を見出して気持ちよく消費をしてもらうことをポイントとしている、とても分かりやすい事例です。


引用:フードWEBウィークリー「優雅な通勤バスで世界の朝食とネスカフェを/ネスレ日本」

  優雅な通勤バスで世界の朝食とネスカフェを/ネスレ日本 | フードウイークリーWEB|週刊食品 ケイエム観光バス「YuGa」で池袋~東京へ ネスレ日本は国際自動車グループ(kmグループ)のケイエム観光バスと、満員電車による通勤からの解放を狙ったコラボレーション企画「YuGa(ユーガ)×ネスカフェ〝優雅な通勤バスで朝食を〟」を12月2日から期間限定で実施。 利用するのは、ケイエム観光バスのプレミアムバス「YuGa(ユーガ)」。飛行機のビジネスクラスシートをイメージし、通常45人乗りのバスを1列 フードウイークリーWEB


・情報発信、コミュニティの提供

企業はこれまでマスにとどめていた情報発信をよりパーソナルに向けて発信するようにし、それに共感したり、サービスを体験した消費者がSNS等を使用して更に情報を拡散していく時代になっています。どんなに良いサービスでも消費者に認知してもらわなければ意味がなく、サービスを提供すると同時に企業側からの積極的な情報発信やコミュニティを提供することが重要です。


これらのことから、消費者に情報を届ける手段、サービス価値を最大限に届けるためにはどうすれば良いのかと考えたときに、消費者の価値観や消費行動の変化に柔軟に対応し、新規の消費者の発掘と、その後の企業と消費者とのつながりを強化することが最重要項目であると言えます。

そのためには、8900万人※ のMAUを誇り、今や我々の生活になくてはならないアプリである「LINE」と、550社以上の企業にネイティブアプリを提供し既存の消費者とのつながりを捉えているヤプリ、そして消費者の課題解決に対して50年以上向き合い、年間600以上のサイト制作や運用実績があり、LINEのサービスについても約260社へサービス提供しているトランスコスモスの3社が協業することで、実際に来店して商品を購入してくれているがデジタル接点が持てていない、それ故に離脱してしまっている、他社のサービスに流れてしまっているといった、ライト層をロイヤル層へ引き上げていきつつ、コミュニティ形成をしていき、最終的にはネイティブアプリ等でロイヤル層向けの豊かな体験の提供することが重要であると考えています。

※2021年6月時点

【第2部】LINEミニアプリの最新の利用状況、活用事例をご紹介

兼清 俊太郎
LINE株式会社(現 LINEヤフー株式会社)
広告事業本部 MINI事業戦略チーム


昨年からLINE社(現 LINEヤフー株式会社)では、特にDX推進に関して取り組みを進めており、もともとはしてこなかった他社と協業してサービスを作っていくといった活動も積極的に取り組んでいます。



LINEミニアプリを簡単にご説明すると、「自社サービスを無料で『LINE』上に公開できるウェブアプリケーションプラットフォーム」であり、例えばレジ横にあるバーコードを読み込むことで即座に会員証が発行できたり、飲食店でテーブルに座ったままオーダーできたりと、店舗起点で多く活用されています。

ネイティブアプリなどのダウンロードが不要で「LINE」を開くだけで簡単にサービスへアクセスできる、会員登録やログインといった手間がなくLINE内すぐに起動できる、LINEミニアプリを通じたお得情報の発信やクーポンなどの配布が無料で行えるといった特徴があり、消費者のデジタルサービス利用の負担を圧倒的に軽減することができます。

LINEミニアプリが現段階で特に力を入れている領域が「飲食店内のモバイルオーダー」「会計時に利用する会員証」「店舗で発券される順番待ち」となっており、今回は会員証と順番待ちに関する事例などを詳しくご紹介します。


事例:会員証 PAL CLOSET

■課題・導入背景
3Coinsや多数のアパレルブランドを全国900店舗以上展開するパルグループが、これまでネイティブアプリでフォローしきれなかった消費者とのデジタル接点を創出し、OMOマーケティングを目的に、会員証の発行とオンラインショッピングのLINEミニアプリを提供。


※画面は当時のものになります


店頭のPOPなどに掲載されているQRコードを読み込むとLINE内でゲストアカウントを発行することができます。これまでは消費者が専用の会員アプリをダウンロードし、会員登録を行いログイン、会員証を提示という手間が発生していましたが、LINEミニアプリを使用することでこうした面倒な作業を省き、発行されたバーコードを使用して買い物をすることで、後日電子レシートが送付され、店頭商品の詳細を確認することもできるといったメリットを提供します。

そして店舗側にとっても即座に会員証を発行することで消費者とのオンライン接点を獲得しやすくなるというメリットがあり、さらに新規会員数を伸ばす、店頭で購買する消費者の一部に対しEC化を促すといった目的を実現することにも非常に役立ちました。

結果として、LINEミニアプリ開始後、新規会員数は前月比で約2倍増、公式アカウント友だちも1か月で10万人増加し、実際に店舗で買い物をするブランド認知が高い消費者が増えたことでブロック率も大幅改善。LINE経由のEC売上も前年比で5倍増しました。


事例:順番待ち・事前エントリー DEAN&DELUCA

■課題・導入背景
⽇本全国で⾷のセレクトショップを50店舗以上展開するDEAN&DELUCAが、限定商品販売における店舗混雑解消および、来店した消費者とのデジタル接点創出を⽬的に、事前エントリーのLINEミニアプリを導⼊。消費者は来店前に商品購⼊エントリーすることができ、店舗での混雑待機が不要になりました。


※画面は当時のものになります


期間限定商品を販売する際に、毎回のように店舗で混雑が発生していたため、消費者にLINE公式アカウントから来店前に事前エントリーをしてもらい、購入可能な場合のみ来店いただくようにしました。これにより消費者とのオンライン接点を獲得することができると同時に、店舗の混雑を回避することに成功。

LINE公式アカウントの友だちも1回の抽選につき約1万人のペースで増加し、LINEミニアプリのサービス利用数も大幅に増加、店頭待機列の解消や店舗内の3密回避によりコロナ対策ができると同時に現場の混乱回避など業務改善にもつながりました。



LINEミニアプリの利用者を年代別に見てみると、50代以降のご高齢層の方が全体の25%を占めており、ご家族からスマートフォンを買ってもらい連絡用に使用している「LINE」をただメッセージを読むだけでなく、商品の購買時などにも活用されているということがデータから見えてくると同時に、ここが「LINE」の強みでもあります。

LINEミニアプリは会員証・店内オーダー・テイクアウト・順番待ち・予約といったカテゴリ別にサービスを提供しており、2021年8月時点で500件ほどリリースをしています。

紹介した事例の他にも様々な機能を提供しており、2022年3月末までに3200件まで増やすことを目標にさらに事業拡大を進めていきます。

【第3部】ノーコードプラットフォームで実現する最適な自社アプリ開発

湯浅 昭吾
株式会社ヤプリ
セールス本部 パートナーアライアンス室


続いて、Yappliについてご紹介します。Yappliとは「自社アプリの開発および運用のハードルを可能な限り無くしたアプリプラットフォームサービス」です。特徴としては以下のようなものがあります。


・スマホ向けネイティブアプリを最短1か月で開発可能

担当ディレクターから構成案やデザインを提示し、煩雑なストア申請を代行することによって、自社アプリを作成してからストアに公開するまでを最短1か月で行うことが可能です。ノーコードで開発し、用意された機能で構成されるため操作も分かりやすく、開発コストや維持コストを必要最小限で抑えることができます。

用意された機能で構成されるとはいえ、決して自由度が低いというわけではなく、テンプレートなしの自由なレイアウトで独自のデザインを作ることができつつ、スクラッチ開発のように煩雑になりすぎないようバランスに特にこだわっているというのも特徴です。


・直感操作で簡単に運用更新、プッシュ配信も可能

アプリの運用・更新はドラッグ&ドロップ、予め設けられた設定項目を変更するだけで、誰でも簡単に運用することができます。リアルタイムに更新内容が反映され、プッシュ通知も無制限に即時配信することができます。

さらにAPIを活用して外部サービスとの連携を増やし、より利便性を向上させる、欲しい機能を追加するといったカスタマイズも可能となっています。


・エンジニア不要でアプリ保持が可能、施策に集中することができる

OSアップデート対応など手間とコストがかかる要素を徹底的に排除し、アプリ運用を成功に導くためのカスタマーサクセスによる支援なども充実しているため、エンジニアがいなくてもアプリを保持することができ、アプリの運用に付きっきりになることもないため、施策に集中できます。

これまで550社以上にアプリを提供しており、主にアパレル系やECに関わる企業に多く活用されています。最近では社内向けやBtoB向け、学内の生徒向けに、定期的な情報配信や緊急連絡などを目的としたプラットフォームとして利用されるケースも増えており、様々な使い方でYappliが活用されています。

昨今、スマートフォンを使って情報を取得する手段として、主にウェブサイトでの検索と、アプリからのダイレクト通知やプッシュ通知の2パターンにわかれるかと思いますが、ニールセン デジタルが発表したデータによると、2019年時点でスマートフォンの利用時間のうちウェブサイトの利用が8%、アプリの利用が92%と圧倒的な差がついていることが分かります。


引用:ニールセン デジタル「若年層を中心にアプリの利用が拡大~ニールセン スマートフォンのアプリ利用状況を発表~」

  若年層を中心にアプリの利用が拡大~ニールセン スマートフォンのアプリ利用状況を発表~ | ニュースリリース | ニールセン デジタル株式会社 ニールセン デジタル株式会社はニールセンの視聴率行動分析部門です。世界標準のインターネット視聴率、スマートフォン視聴率、デジタル広告視聴率などの提供をおこなっています。 https://www.netratings.co.jp/news_release/2020/03/Newsrelease20200324.html


これを踏まえてネイティブアプリのメリットは、ホーム画面にアイコンがありワンタッチでアクセスできるため利用頻度が高まる、サクサク動作しオフラインでも快適に利用できるため情報が早く深く届く、プッシュ通知やGPSなどネイティブアプリだからこその機能でリーチできるといったことなどがあげられます。

情報を広く浅く取得したい場合はWEB検索で雑多的に情報を収集するのに対し、自社アプリはよりコアなファン層に向けたタッチポイントとして非常に重要な位置付けとなります。

【第4部】アフターコロナにおけるオンライン~オフラインを横断した集客と売上拡大

岩井 拓也
トランスコスモス株式会社
デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター(DEC)統括
DX推進本部 DECSol統括部


最後に、3社が協業して実際にどういったサービスを提供していくのか、詳細をいくつかご紹介します。

まずアプローチの方法としては広く情報を発信する「マスアプローチ」と、消費者ごとの興味・関心をもとに情報を発信する「個別アプローチ」の2パターンがあります。

例えば、マスアプローチであればデジタルチラシを配信することでLINE公式アカウントへの誘導を促したり、実際に来店した消費者にはLINEミニアプリを使用してQRコードなどを読み込んでもらう過程でLINE公式アカウントとのつながりを持ってもらうことができます。

一方、個別(個人)のアプローチであれば「LINE」の通知メッセージを活用した情報発信をもとにLINE公式アカウントとのつながりを持ってもらい、LINEのアカウントを通じて得られるデータ※ (例:サイトアクセスログ、動画視聴履歴、予約データ、会員証の起動データ、クーポン利用データ、キャンペーン参加履歴など)を取得し、「LINE」の起動が多い方にはLINE側にアプローチしていく、ネイティブアプリの起動が多い方にはネイティブアプリ側でアプローチといった使い分けをしつつ、個人の興味・関心に当てはまった情報を高精度で配信するなど、出来ることは多岐にわたります。

※ユーザーの許諾を得た上で、取得しています。


しかし実際にLINE上、Yappli上でサービスを提供するにあたり、それぞれ懸念点もあります。

LINE公式アカウントであればMessaging APIと外部の連携ツールをつなぐのにある程度の工数が必要であったり、LINEミニアプリであればまずWEBアプリケーションを構築する必要があります。

Yappliであればプラットフォーム化されているのですぐに使い始めることができ、ノーコードでわかりやすく、かつカスタマイズもしやすくなってはいるものの、やはり自社で完全オリジナルの取り組みをしたいと考えたときには、どうしても出来ることにある程度の制限がかかってしまいます。

そこでトランスコスモスはパートナーとして、独自開発のAPI連携プラットフォーム「DEC Connect」を活用して外部連携を柔軟に行い、それぞれのチャネルに適したサービス提供をするために支援します。


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会員証発行サービスおよび予約機能の提供イメージです。

会員証をワンタップで発行し、クーポンを配布することでオンライン接点を獲得、予約もWEBから簡単に行え、来店時や予約時限定のサービスやクーポンなどをさらに発行することで再来店を促します。パッケージソリューションとしては2021年度内に順次リリース予定です。



また、ゆくゆくはTIG LIVEを活用し、実店舗のDX化を簡単に行うことが出来るサービスも提供していきたいと考えています。

具体的には実店舗の店員がライブ配信で商品の紹介を行ったり、動画内でしか買えない限定商品の訴求や、ライブを見た方限定の割引施策などを提供し、消費者は気になる商品があればLINEミニアプリ上で試着の予約をし、予約後に実際に店舗に来店した際に先着順でノベルティが受け取れたり、クーポンがもらえる、といったオンラインとオフラインをシームレスに連携させるサービスの提供を目指しています。

これはもちろんLINEミニアプリ上だけではなく、各企業のネイティブアプリにも展開し、既に会員登録済みの方やECサイトを普段から利用している方などがライブ配信を見て、そのまま簡単に購入まで進めるようにもなると考えています。

質疑応答まとめ

ウェビナーの最後には、本音トークのここだけの話も交えつつトークセッションが行われました。そのうちのいくつかピックアップしてご紹介します。


Q.LINE社(現 LINEヤフー株式会社)とヤプリ社、お互いのサービスをどのように意識されていますか?

岩井:これはたぶんお互いのサービスを食い合ってしまわないのかとか、いろんな意味での質問なのだと思いますが、正直いかがですか?

湯浅:お客様から「LINE公式アカウントとネイティブアプリどちらを採用すべきか?」というご相談をいただくことはしばしばあるのですが、基本的には役割が違うので、両方採用してみても良いのではないかとご提案することもあります。

LINEミニアプリがどういう位置付けになるのかというのはヤプリ側としても正直図り損ねている部分はあるのですが、消費者とのオンライン接点をつくる入口として、店舗でQRコードを読んですぐに開始できるという手軽さでは強みがあると思います。

一方、ネイティブアプリはまずインストールしてもらって、起動するまでにすこし時間がかかってというところでどうしても最初のハードルはありますが、コアなファン層に向けたコンテンツの拡充はしやすいので、ライト層からロイヤル層へ引き上げていく過程で上手く使い分けることができれば良いなと、LINE社(現 LINEヤフー株式会社)様とは今後とも仲良くしていけたらいいな、というのが正直なところですかね(笑)

岩井:一方、LINE社(現 LINEヤフー株式会社)はLINEミニアプリ事業を立ち上げる際、去年の9月くらいに一緒にセミナーを開催させていただいて、あれから利用社数がかなり増えたと思いますが、これまでどういった相談が多かったですか?

兼清:我々のアプローチの仕方は2パターンありまして、大手企業様向けに個別にしっかり入り込んでアプリと作り込んでいくパターンと、予め用意しているパッケージを気軽にご利用いただくパターンにわかれます。利用件数が大幅に増えたのは、パッケージですぐに使える、スタートできるという点を評価していただけたというのが大きいです。

また、LINEミニアプリとLINE公式アカウントをセットで運用することで消費者とのコミュニケーションチャネルを作りやすいということもあって、パートナーさんもLINEミニアプリを提案しやすかった、そのため利用件数が伸びたということもあったと思います。

さらに、ネイティブアプリが鈍化してしまっている場合についても、ライト層向けにLINEミニアプリで気軽に情報に触れてもらい、そこから徐々にネイティブアプリに移行していってもらうという流れが作りやすい部分を評価していただいています。


Q.クライアント企業からどんな相談が多い? 最近のトレンドは?

岩井:正直な印象として、ネイティブアプリって一巡した(大体の大手企業はネイティブアプリを作り終えた)というイメージがあるんですが、そのあたりってどうですか?

伊藤:そうですね、ある程度、新規でネイティブアプリを作りたいというご相談は一定数継続してあるものの、それよりも既に作ったネイティブアプリに関してiOSやAndroidのアップデートに追随していく保守などに疲弊していて、どこかプラットフォーム上で運用したいという相談をいただくことが多くなってきたかなという印象があります。

それともう1点は、新型コロナウイルスの感染対策ということもあってか、社内向けのDX推進にアプリを活用していきたいというご相談は多いです。今までは店舗に配属されていたスタッフを本社に集めて研修を行っていたものの、それが出来なくなったのでスタッフがスマートフォンで研修できるようなアプリを配布するとか、企業と社員とのコネクションとして使うというケースが増えてきていますね。

湯浅:そうですね、やはり我々としてもリニューアルだとか、リプレイスというお話をいただくことが多くなっています。例えば、スクラッチで作ったものの運用に限界を感じているですとか、余分なものを省いて運用コストなどを下げたいですとか、そういったご相談をよくいただきます。それこそネイティブアプリが一巡して、Yappliでやるべきこと、できることが見えてきたというお客様も多いのではないかなという感触はありますね。

岩井:では時間も迫ってきましたので、最後に今後の展望や、これからどんな世界を目指していきたいかを教えていただけますか?

兼清:現在、LINEミニアプリを社内外ともにかなりアグレッシブに展開していくための活動を進めていまして、グループ企業とも連携しながら動きを加速させています。

今後さらにLINEミニアプリの利用数を増やしていくためにコンテンツの拡充も必要であると思いますし、利用できるサービス数を増やしていく、それぞれの領域で事例を増やしていくという活動に、引き続き力を入れていきたいと思っています。

湯浅:Yappliに関してはアプリプラットフォームという位置付けのなかで、まだまだ外部との連携やそれによって可能になる機能アップには大きな可能性を感じていますので、そういった部分は協業などを積極的に進め、着実に実現できることを増やしていく、そして様々なサービスを連携するための中心的存在、プラットフォーマーになるための地力をつけていきたいと思っていますし、そのために既に動き始めてもいますので、今後の発表を楽しみにお待ちいただければと思います。

岩井:ありがとうございます。両社とも今後の業界を牽引していく、一緒に取り組んでいくことになるのは間違いないと思いますので、トランスコスモスとの協業も含め、引き続き宜しくお願い致します!

そして改めて、トランスコスモス、LINE社(現 LINEヤフー株式会社)、ヤプリ社の3社で協力してクライアント企業様の課題を解決する、より多くの消費者に知ってもらい使ってもらう、こういった視点で一緒にサービスを作っていきたいと考えていますので、興味・関心をお持ちいただければ、是非お気軽にご相談ください!


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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