札幌の中心部にあるJRタワー東側の壁に張り付けられたタイル状の飾り石6枚が歩道に落ちているのが22日見つかりました。一つ間違えば大きな事故につながる可能性がありました。
外壁が落ちた現場は、昼間は人通りの多い歩道です。2003年に完成し、飾り石は金具と接着剤で取り付けられていました。1枚の重さは5キロから8キロ近く。これが6枚落下しました。
老朽化や劣化、施工不良などさまざまな原因が考えられますが、原因はまだ特定されておらず、現在、調査中です。
私たちが暮らす街のなかにも身近な危険は潜んでいます。建物の壁を専門に調査する会社によると、北海道の厳しい気象条件もその一因だということです。
「aoiプロ」の嵯城一人社長は「北海道は春夏秋冬の気温が違うので、(壁の)中に入った水は凍ったり、とけたりが激しい地域です。それが建物の内側に対して本当に悪さをしてしまう」と指摘します。
外壁やコンクリートの中に入り込んだ水は、凍ると体積が増えて膨張し、これがとけると空洞ができます。
こうした現象が何度も繰り返されると外壁が浮き出して落ちてしまうということです。
嵯城社長は「タイルの浮きはなかなか見た目では分からないので怖い」「打診棒で叩いてタイルが浮いているか浮いていないか判明する」と話し、更に赤外線を使った調査も行っています。
画面の赤くなっている場所は温度が高くなっていて、外壁が浮いている可能性が高いと言い、10年サイクルで外壁の調査をするのを推奨しています。
マンションやビルの壁の劣化が、周辺を通る市民を危険にさらす恐れがあります。普段からこまめな点検をすることが重要です。