スポーツ庁が23日に発表した2019年度の全国体力・運動能力調査(全国体力テスト)で、県内の小学5年男子の体力合計点は53・02点で、08年度の調査開始以降で最低だったことが分かった。小5男子は全国平均も過去最低。県教委は「スマートフォンやゲームの低年齢からの普及に伴い、運動時間が減っていることが主な要因だ。運動の喜びを知り、意欲が高まるような取り組みを強化していきたい」としている。(写真は資料、記事とは直接関係ありません)
調査は4~7月、全国の小学5年生と中学2年生を対象に実施。握力や上体起こしなど8種目の成績を得点化(80点満点)した。
調査結果によると、県内の小5男子は53・02点(全国平均53・61点)、女子55・36点(同55・59点)で全国順位はともに32位。
種目別でみると、小5男子は握力、反復横跳び、50メートル走、立ち幅跳び、ソフトボール投げの5種目で過去最低、女子はソフトボール投げが過去最低だった。
一方、中2は全国平均を上回り、男子42・01点(全国平均41・69点)、女子50・53点(同50・22点)だった。順位はともに全国21位。女子は合計点のほか、上体起こし、反復横跳び、50メートル走、立ち幅跳びの4種目で過去最高点だった。
また、生活習慣アンケートと体力合計点とのクロス集計をみると、平日のスマホやゲームなどの利用時間が長くなるにつれて、体力合計点が低くなる傾向がみられた。小5男子では、平日の視聴時間が「1時間未満」の児童は54・30点なのに対し、「5時間以上」は50・60点だった。
運動習慣などについての質問では、1週間の総運動時間の平均が小5男子では全国平均よりも約1時間短い501分、小5女子は342分で全国平均より8分短かった。中2は男子で90分、女子で72分、それぞれ全国平均より長かった。
県教委は15年度から、各小中学校に体力向上プランの策定を呼び掛け。17年度には四国新聞社との連携企画として、縄跳びを活用した「体力アップ大作戦」を全県で実施した。本年度は目標を設定して縄跳びや鉄棒などに取り組む「さぬきっ子チャレンジカード」を全公立小で導入した。
ゲームなどのやり過ぎを巡っては、体力面だけでなく、日常生活に支障が出る「ゲーム依存症」も懸念される。県や県教委は本年度から、相談対応できる人材の育成を柱とした対策に着手。県議会も全国初となる対策条例の来春施行を目指して議論を進めている。