原作の4コマまんがを元に毎週3話 アニメ放送50年
アニメ「サザエさん」は1969年10月5日にフジテレビで放送が始まり、50周年をむかえました。原作は長谷川町子さんの4コマまんがで、46年から74年にかけて新聞に掲載されました。
放送中のアニメは「現代」が舞台ですが、昭和の名残があり、平成生まれの小学生から見ると、ふしぎな場面もあるでしょう。アニメ作りを担当するプロデューサーの2人に、朝小リポーターから届いた疑問に答えてもらいました。(岩本尚子)
明るく元気でおっちょこちょいなサザエさん。3世代7人とネコ1ぴきで暮らしています。アニメでは主にサザエさん一家の日常がえがかれます。
1話7分ほどのアニメが毎週3話、放送されています。長谷川町子さんは1992年に亡くなりましたが、どうやってアニメを作り続けているのでしょう。
アニメを作る会社「エイケン」の田中洋一さんと、放送するフジテレビの渡辺恒也さんは数多くいるスタッフのまとめ役です。
お話の流れを作るのは脚本家。アニメ会社から話のテーマと主人公について指示を受け、元になりそうな4コマまんがを3本受け取ります。脚本家はそれを元に、約7分のアニメになるお話を考えます。
「わたされたまんが3本のうち1本以上は使う」というルールがあるそうです。
例えば、10月6日に放送された「渋い顔、甘い柿」というお話はまんがを3本つないでいますが、「ぼくは正直者」は1本のまんが=下の4コマ=をふくらませています。
脚本家はその道50年のベテランから新人まで、9人いるそうです。たくさんの人がかかわるので、キャラクターの話し方などには決まりがあり、みんなで共有しています。例えばイクラちゃんのせりふは三つだけ。
うれしい時は「ハーイ」、人を呼ぶ時は「チャーン」、おこっている時は「バブーン」です。時代設定はあくまで「現代」ですが、アニメにはブラウン管テレビや黒電話が登場します。 渡辺さんは「日本全国を探せば、どこかの家にはまだありますよね」とほほえみます。
スマートフォンはサザエさんの家にはありません。「『カツオ、どこ行った!』という時にGPS(全地球測位システム)で探せてしまったら、サザエさんのお話が書けなくなってしまうんです」と田中さん。「むずかしく考えず、『サザエさんワールド』として楽しく見てもらえたらうれしいです」と話します。
「なぜ海に関係する名前なの?」
Q(質問) 一家はどうしてみんな、海に関係する名前なんですか?(多数のリポーターから)
A(答え) 長谷川町子先生がまんがを考えたのが、当時住んでいた福岡市の海岸で、そこでとれる海産物から名前をつけたそうですよ。マスオさんの同僚の「アナゴさん」のように、アニメで名前がついたキャラクターもいます。
Q キャラクターはだれが好きですか?(愛知の小学生リポーターから)
A(田中さん) 元気よく走り回っているカツオは「いいなあ」と思いますね。実際に近くにいたら「こいつ!」と思うかもしれないけれど(笑い)。
Q 映画になりますか?(神奈川の小学生リポーターから)
A 昔はアニメ映画になったこともあるんです。でも日常のドラマなので、「天気の子」のような、すごい映像のアニメが人気になる今は……劇場版にはしづらいかな。ただ、50周年を記念して今、演劇の舞台を上演しています。実写ドラマ(11月24日放送)もありますよ!
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