「自分が作ったものを、人に見せたい。昔からそういう気持ちが強くありました」。動画サイト「YouTube」に出あったのは小学校低学年のとき。おもしろ系の動画などを自分でも作り始め、約2年間、毎日投稿を続けた。その数は約700本にのぼるという。投稿し続けられた理由を「ただ好きだったから。ゲームをするような感覚でした」とふり返る。
ラップとの出あいも、小学生のころに見たYouTubeの動画だった。「純粋にかっこいいと思いました」。中学1年生のころ、当時はやっていたフリースタイルラップ(即興でラップを行うスタイル)を友だちと毎日遊びでやるように。「うまく韻をふめたり(似た音の言葉を並べること)、リズムにのれたりできたときがすごく楽しかったですね。ある程度、ラップののり方がわかるようになりました」。中学2年生になると曲を作り始め、動画投稿を再開した。
趣味が仕事に変わったのは、2017年、ヒップホップ・ラップの新たなアーティストを開拓するプロジェクト「OverFlow」でグランプリを獲得してからだ。デビュー曲「悪戯」は、小学生のころにYouTubeで見た、ラッパーのSKY―HIさんがプロデュースを手がけた。「これまで一人でものづくりをしていたので、デビューしてからいろんな人といっしょに作品を作ることが新鮮です」
「『時間をむだにしたくない』という気持ちを小学生のころから持っていた」と話す。好きなことに取り組んで「今」がある。そんな自身の経験から、小学生には「自分のやりたいことをやれ!」とエールを送る。(聞き手・佐藤美咲)
2002年11月16日生まれ。今年6月にファーストアルバム「SICKSTEEN」、7月にすべての曲を自宅で作ったデジタルアルバム「HOMEMADE」をリリース。19日に初の全国ツアーが始まる。(撮影・石野明子)
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