台湾生まれのタピオカドリンク どんどん超進化
若者を中心に大流行している「タピオカドリンク」を飲んだことはありますか? ミルクティーなどの飲み物の中にもちもちした食感の「タピオカ」を入れた台湾発祥のドリンクです。最近では、飲み物にとどまらず、「食べるタピオカ」も登場しています。(小勝千尋)
若者のお茶ばなれがきっかけ
タピオカとは、「キャッサバ」というイモのでんぷんのことです。ドリンクなどに入っている丸くて黒いタピオカは、キャッサバをゆでてでんぷんを抽出し、粉にした後、小さく丸めて、黒糖につけるなどしたものです。
タピオカドリンクを初めて作ったのは、台湾のお茶屋さん「春水堂」の前身である喫茶店です。「きっかけは、若者のお茶ばなれでした」と、春水堂を運営する会社の広報担当の本田直さんは話します。
喫茶店のオーナーが35年前、若者にお茶を飲んでもらおうと、熱いお茶を冷たくし、ミルクを入れて、甘くすることを考えました。「台湾でデザートとして昔から使われていたタピオカも入れてみよう、ということになったようです」
台湾で親しまれているデザート「豆花」は、豆乳プリンの上に、甘いシロップやフルーツ、タピオカをのせたものです。
旅行人気で広がる
日本に春水堂が上陸したのは、5年半前。東京・代官山に1号店ができた当初から、長い列ができました。タピオカ人気の理由として、「台湾旅行や台湾料理・スイーツの人気、関心が高まっている」と本田さんは話します。日本旅行業協会が発表した2018年の旅行動向調査(人気ランキング)の海外部門では、ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始、全てで台湾が1位でした。「タピる(タピオカドリンクを飲む)」という言葉も流行しました。
豆花のようにデザートとして食べるタピオカも注目されています。今年の流行予想「トレンド予測2019」(SHIBUYA109エンタテイメント)のグルメ部門で「食べるタピオカ」がランクインしました。
もちもちコラボがたまらない
アメリカ発祥のお店「オリジナルパンケーキハウス」では、パンケーキとタピオカがコラボした「タピオカミルクティーパンケーキ」を販売しています。紅茶の茶葉を練りこんだパンケーキの間に紅茶味のクリームとタピオカをはさみ、上から、紅茶風味の生クリームとタピオカをトッピングしています。めずらしい見た目と食感が話題になり、連日お客さんが後を絶たないといいます。
「オリジナルパンケーキハウス」を運営する会社の村上優樹さんは「パンケーキのもちもちとした食感と、タピオカの食感に似たものを感じました。いっしょにしたらおいしいのでは?と思ったのがきっかけです」と話します。
タピオカブームは韓国でも起こっています。東京・渋谷にある「19tea」は、韓国に20店舗以上ある、人気のタピオカドリンクなどのお店です。メニューの中で人気のある「タピオカミルクティートースト」は食パンの間に、ミルクティー味のクリームとナッツ、タピオカをはさんで焼いたホットサンド。見た目のインパクトと、食べ歩きのできる便利さからたくさん売れているといいます。
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