あなたに手紙を書きます。集団行動が苦手なあなたに手紙を書きます。
私も集団行動が苦手でした。集団登校も、集団で運動会の練習をすることも、集団で給食をとるのも好きになれませんでした。
でも、その学校に通う児童であるかぎり、ルールには従う必要があります。集団で行動できるように、自分を強くしなければいけません。
そこで、集団行動になじむために、私はいろいろ試しました。結果、私があみだしたのはこんな方法です。「集団行動を好きになる必要はない。嫌いのままでもかまわない。でも、集団行動に従っている自分は、それだけで十分えらいじゃないか」と、自分を思いきりほめてみたのです。
「ぼくはダメだ」「ぼくは弱虫だ」と自分を責めるのではなく、自分をほめる。「よくやっている」「これだけで十分えらい」と言い聞かせる。集団登校に向かう自分をほめ、みんなといっしょに給食を食べている自分に拍手を送るのです。
そして、ただ心で思うだけでなく、「えらいなぁ、自分!」なんて声に出して言ってみる。こんな風に、苦手なことをやっている自分をほめたたえているうちに、だんだんと苦手意識がなくなっていったのです。
あなたも無理して集団行動を好きになる必要はないと思います。逃げずに、集団にとけこもうとする自分を思いきりほめてあげてください。あなたはえらい。立派なのですから。
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ひきた・よしあき 博報堂のスピーチライター、博報財団コミュニケーション コンサルタント。
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