怪獣ゴジラの映画で使われた特殊撮影(特撮)の技術を実物で紹介する展覧会「特撮のDNA―『ゴジラ』から『シン・ゴジラ』まで―」が東京都大田区の日本工学院専門学校で来年1月27日まで開かれています。怪獣をリアルに見せる技術者の技がつまっています。(松村大行)
「特撮のDNA」展が開催中
ゴジラ」シリーズは1954年の第1作公開から60年以上続いてきました。モスラやキングギドラなど、人気のライバル怪獣もたくさんいます。
今回の展覧会は2016年に大ヒットした「シン・ゴジラ」でゴジラが上陸する東京・蒲田が舞台。映画の撮影で使われた怪獣のスーツ(着ぐるみ)や模型、小道具などがずらりとならびます。
スクリーンで大暴れする怪獣を生み出してきたのが、映画やテレビで活躍し「特撮の神様」と呼ばれた円谷英二さん(1970年死去)をはじめとする数々の技術者です。スーツづくりの工程の映像や技術者の解説などを通じ、長年受けつがれてきたその技を知ることができます。
「主役は中の俳優」
スーツは主に液状のゴム(ラテックス)とウレタンでできています。まず怪獣の体の型枠を用意し、枠の内側にラテックスをぬり重ねてごつごつした皮ふを製作。そこにウレタンを流しこみ、肉付けします。着るとかなりの重さがありますが、水中ではウレタンにふくまれる空気でういてしまいます。海のシーンでは太ももから下の部分を切り取って撮影するそうです。
目玉を動かしたり、背びれを光らせたりと、時代を経るごとにリアルに見せる工夫をこらしてきました。1990年代後半からゴジラのスーツを手がけてきた造形師の若狭新一さんは「見た目がどれだけかっこよくても、主役は中に入る俳優。そのお芝居が見る人に届くことで初めて、ぼくたちの仕事が評価される」と話します。
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入場料は大人が1600円、小学生が500円です。
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