小豆島町坂手の地ビール醸造所「まめまめびーる」と、土庄町の農業生産集団「小豆島 陽当(ひあたり)の里伊喜末(さといぎすえ)」は23日、同町伊喜末で栽培してきたビール麦(二条大麦)を収穫した。
100%小豆島産のクラフトビールを誕生させようと2017年から取り組むプロジェクトの一環。初めて収穫した昨年の麦は発芽試験に合格しなかったため「100%」は達成できなかったが、今年は上々の出来栄えのようで関係者は念願のビール誕生に期待を膨らませている。
プロジェクトに取り組むのは、16年に大阪から島に移住し、翌年まめまめびーるを立ち上げた中田雅也さん(35)。17年にビール麦を栽培してくれる農家を求めて県小豆農業改良普及センターに相談したところ、陽当の里を紹介され、生産者の井藤信義さん(81)と前田満照さん(65)が協力してくれることになった。
麦を栽培したのは、前回と同じ地区の遊休農地。計約10アールの畑に昨年11月に約10キロの種をまき、順調に育って収穫を迎えた。収穫作業には、陽当の里の他のメンバーや町職員も参加。コンバインでの刈り取りに加え、一部は中田さんらが手刈りした。
昨年の麦は「95%以上が発芽しないといけない」という規定をクリアできなかったため、今年は大粒に育つよう収穫時期をやや遅らせ、これからの乾燥で水分量12%未満を目指す。
黄金色の麦穂をじっくり確認した中田さんは「大きな粒になっている」と満足そう。「麦芽にさえできればビールに広がりができる。今回こそは100%小豆島産のビールをつくりたい」と言葉をつなげた。昨年の麦はビールに使用したものの輸入麦芽を25%ほど加えたため、小豆島産75%の出来となったという。
今回の収穫量は前回を上回る300キロ超の見通し。これから天日干しした後、岡山の製麦工場で麦芽加工される予定。
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