「孤立」せずたより合える関係を
日本は、自然災害が多い国です。地震だけでなく、広い範囲で豪雨も記録されています。鉄道やバスが運休したり、道路が使えなくなったりします。水が出ない、電話が通じないなどの影響が出ることもあります。
災害時には、早めの行動と安全な避難が求められます。しかし、なかには避難をあきらめる人がいることを知っていますか。例えば、車いすを利用していて、自力では避難場所までたどり着けないから行かない人。
人と接するのが苦手な家族がいて、慣れない環境での生活がストレスになるから逃げない人。「自分が移動することで、他の人に迷惑をかけるから遠慮する」などさまざまな理由があるようです。
カナダで脊髄損傷患者のためにボランティアをしようと、トレーニングを受けていた時のことを思い出しました。だれの力にもたよらずに、自分で生きていけることを「自立」と考える人が多いですが、それは「孤立」です。
それよりも、たよれる人やモノを増やすことです。困っているときは、困っていると伝えます。助けが必要な時は、どんな助けが必要なのか、安心して言える関係を築くことが最も大切、という話を聞きました。
災害時に発生するかもしれない被害を、できるだけ少なくするための取り組みを「減災」といいます。たより合える人との関係を日ごろから築くことを意識して、災害対策をしてみませんか。
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マセソン美季 東京都出身、カナダ在住。1998年のパラリンピック長野冬季大会のメダリスト。日本財団パラリンピックサポートセンター勤務。
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