県は、子育て支援政策の指針となる「県健やか子ども支援計画」の次期計画(2020~24年度)の素案をまとめた。新たに取り組み項目に加えた「ネット・ゲーム依存対策」では、正しい知識の普及啓発、相談体制の整備、医療体制の充実を対策の3本柱に据えた。施策体系の柱の一つに格上げした児童虐待対策では、児童相談所の体制強化を中心に総合的な防止策を一層進める方針。
5日に県庁であった県子ども・子育て支援会議(会長・毛利猛香川大教育学部教授)で示した。
素案では、ネット・ゲーム依存対策を「子どもや子育て家庭に優しい環境整備」の課題の一つに位置づけ、「睡眠障害、ひきこもりなどの二次的問題を引き起こし、県内でも依存が疑われる子どもが増加している」と指摘。啓発と相談支援、適切な医療などの総合的な対策の推進を掲げた。
このうち、正しい知識の普及・啓発では、講演会や家庭でのルールづくりなどでゲーム依存への危機意識の向上を図るほか、乳幼児を持つ保護者に対してもスマホなどの適正利用を促すと明記した。
全国的に対応が遅れている相談支援・医療提供体制では、教員らへの周知に努めるほか、精神保健福祉センターや各保健所などでの相談支援を推進。保健、福祉関係者らが対象の研修会の開催や、治療可能な医療機関の整備、専門医らの養成などを盛り込んだ。
現在、県議会が全国初となる対策条例の来春制定に向けた議論を進めていることから、最終案では条例の内容も踏まえる方針だ。
一方、昨年3月、善通寺市から東京都目黒区に転居した船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=が虐待死した事件の発生などを踏まえ、児童虐待対策も強化を図る。児童相談所の体制強化に加え、福祉や医療、県警などとの連携や情報共有をさらに充実させる。虐待事案があった後に再び一緒に暮らせるようになる「家族再統合プログラム」の実施件数を伸ばすほか、里親制度についても登録数や委託率の向上を目指すとしている。
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