県内の成人式会場で、四国新聞社が毎年行っている新成人へのアンケート。その結果からは、多くの新成人が「香川が好き」で「香川で暮らしたい」と考えていることが浮かび上がった。では、香川のどんなところに引かれているのか。アンケートに寄せられた声から新成人が考える「香川の魅力」を紹介する。
Q好きな理由は?
トップは「うどん」25人
新成人100人のうち97人が「香川が好き」と答えた。その理由に最多の25人が挙げたのが「うどん」。「安くておいしい」(高松・20歳女性会社員)との声が代表するように、味とともに安さも魅力に感じており、まさに「ソウルフード」の存在感だった。
次いで多かったのは「暮らしやすい」13人、「家族、友人がいる」12人、「のんびり、ゆったりしている」11人。住み慣れた場所、支えてくれる人の多さに安心感を持つようで、進学や就職によって県外で暮らすようになった人の中には「都会より人が少なく、帰省するとほっとする」(坂出・19歳男子学生)など、離れたことで改めてその魅力に気付いた人もいた。
暮らしやすさにつながる具体的な理由を挙げる人もおり、「災害が少ない」(宇多津・20歳女子学生)「みんな優しい」(さぬき・19歳女子学生)「瀬戸大橋が見える景色が好き」(丸亀・20歳男性会社員)など。一方で「嫌い」と答えた人は「交通の便が悪い」(高松・20歳女子学生)、「都会の方が住みやすい」(さぬき・20歳女子学生)などで、利便性などの面で満足していない様子がうかがえた。
Q香川で暮らしたい?
「はい」8割 でも就職不安
「香川で暮らしたい」と答えた人も多く76人。理由は「家族、友人がいる」15人、「暮らしやすい」12人、「地元が好き」7人が上位を占め、「のんびりした雰囲気が合っている」(坂出・20歳男子学生)、「生まれ育った場所に貢献したい」(東かがわ・20歳男子学生)など、安心感や愛着が「暮らしたい」と思わせる要因となっているようだ。
一方で、「いいえ」と回答したのは21人。最も多い理由は「就職先がない」の6人で、「大企業で働きたいが県内では選択肢が限られる」(坂出・20歳男子学生)のほか、就いている仕事の関係から「帰ってこられる可能性が低い」(さぬき・20歳男性自衛官)という人もいた。
就職先以外では「暮らすには、あまりにも何もない」(多度津・20歳男子学生)と新たな刺激を求める都会志向の声も。ただ、ふるさとへの思いの強さを表すように「年を取ってからは必ず戻りたい」(綾川・19歳男子学生)という意見もあった。
Q一番の関心事は?
「スポーツ」「旅行」最多
「現在の一番の関心事」(複数回答)では、若者らしく流行が反映されている様子がうかがえた。
最も多かったのは「スポーツ」と「旅行」で31人。前年は旅行が単独1位だったが、来年に迫った東京五輪の盛り上がりを受け、スポーツを楽しむ人だけでなく、「東京五輪を見てみたい」(高松・20歳男子学生)など、観戦希望から関心を持つ人が目立った。
旅行の中には「学生のうちにいろいろな場所に行きたい」(小豆島・19歳女子学生)など観光目的が多い一方、パティシエを目指していることから「イタリアの菓子工場を見たい」(高松・20歳女子学生)と答えた人もいた。
次点の「趣味」(25人)ではファッションや音楽のほか、演劇鑑賞やゲームを挙げる人もおり、多様性がうかがえた。政治・外交問題、経済、健康管理に関心を寄せる人は少なかった。
アンケートは3~13日に県内全市町で開かれた成人式会場で新成人を対象に実施。男女各50人に聞き取りした。
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