香川労災病院(丸亀市城東町)は10日、がんの治療などに関する医療情報を患者や家族らに提供する患者図書室「つなぐライブラリー」を院内に開設する。併せて患者の治療と仕事の両立支援を図るため、情報通信技術を活用して職場外で仕事をする「テレワーク」が可能な環境を図書室内に整備した。
同院は2006年にがん診療連携拠点病院の指定を受け、月約200件のがん相談に対応。「どのような治療をするのか」「仕事は続けられるのか」などさまざまな相談を受ける中、患者や家族が情報を得て病気や治療への理解を深める一助になればと患者図書室を設けることにした。外来患者にも検査結果が出るまでなどの待ち時間を有意義に過ごしてもらう。
患者図書室は約90平方メートルで本館2階に設置。がんの専門書に加え、幅広い病気や介護に関する書籍など約600冊が並ぶ。気分転換のための漫画や小説などもあり、丸亀市立中央図書館やライブラリーうたづから寄贈を受けた。入院・通院患者がテレワークをできるよう、通信環境とパソコン3台を整備している。
8日に内覧会があり、市民や関係者ら約150人が見学した。同院は「がん診療連携拠点病院としての機能をさらに充実させていきたい」としている。
また、同院は内視鏡の手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を5月に導入した。医師の遠隔操作により、傷の小さい内視鏡手術を行うための装置で、中讃地域での導入は初めてという。この日は同院泌尿器科の藤田治部長が講演し、「術後の痛みが少なく回復が早い」などとダ・ヴィンチの利点を説明した。
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