2018年に県内の65歳以上の高齢者で運転免許証を自主返納した人は前年比5・8%増の4138人で、県が集計を始めた11年以降、初めて4千人を超えたことが県と県警のまとめで分かった。前年を上回るのは7年連続で、高齢者による重大事故が相次いだことなどで返納者数が増加した。19年も東京・池袋で高齢者の車に母子2人がはねられ死亡した4月の事故などを受け、18年を上回るペースで推移している。
まとめによると、返納者は11年から年々増加。14、15年は、県が14年11月にバス運賃や飲食店での割引が受けられる優遇制度を始めたことで、2年連続で前年比1・6倍に増えた。17年は3月の改正道交法施行で、75歳以上の認知機能検査が強化されたため、2桁増となった。
18年の返納者4138人のうち、80・5%に当たる3331人が75歳以上だった。県がデータの公表を始めた15年時の約6割から年々割合が高まっており、認知機能検査が強化される75歳から返納者が増える傾向が浮き彫りになっている。
19年は5月末現在(速報値)で前年比14・1%増の2185人が返納。池袋の事故直後(5月7~10日)は、1日の平均が18年の約3倍に当たる30人に達した。
一方、18年に県内で発生した高齢ドライバーによる人身事故は1231件で、全体の23・8%を占めた。年間の人身事故件数が年々減少する中、高齢ドライバーによる事故件数は減り幅が小さく、全体に占める割合が7年連続で上昇している。
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