時事芸人 プチ鹿島さんに聞く
プチ鹿島さんは、ニュースなどの時事ネタが好きな「時事芸人」です。著書『芸人式新聞の読み方』では、新聞を楽しく読むコツなどを紹介しています。中高生に向けて、新聞の魅力やおすすめの読み方を聞きました。これで、新聞がもっと楽しく読めるはず!
(近藤理恵)
知識や情報の「栄養の基礎」
プチ鹿島さんは、全国紙やスポーツ紙など、全部で12紙もの新聞を購読しています。子どものころから、大好きな野球や相撲の情報がのっているスポーツ新聞を読むことを楽しんでいたそうです。
大学生になって一般紙を取り始めると、難しい表現に少し戸惑いました。そこで、新聞を「人」に見立てて、「おじさん」が話していることだととらえるようにしました。すると、「またおじさんがこんなこと言っている!」とつっこみながら読めるように。一字一句理解しなければ、と気を張ることもなくなりました。
今はニュースをインターネットで見たり、調べたりする人が増えています。一方で、フェイクニュースと呼ばれる、うそのニュースもあふれています。
プチ鹿島さんは「新聞はプロの記者が取材して、情報をくわしく調べています。大事なことがまとめられているし、知識や情報の『栄養の基礎』になります」と話します。新聞で「栄養の基礎」をとった後、気になるニュースをインターネットなどで調べることで、バランスよく情報を取ることができると考えています。
「インターネットは、興味のあることを調べるにはよい半面、『自分の見たいものしか見ない』という状態になってしまうことも。でも、自分には関心がなくても、世の中では大切なこともあります」
紙の新聞は、一つの面に、さまざまなニュースがのっていることも長所の一つです。興味のあるニュースが書いてあったから読んでみたら、隣にある別の記事にも目がいき、ついでに読んだら、そのニュースがおもしろかった、ということもあるかもしれません。
中高生には、新聞の読み比べをすすめます。例えば、同じ政治の話題でも、新聞によって視点が異なることもあります。「新聞社としての意見や主張が書かれる『社説』は、インターネットで無料公開されている場合もあるので、ぜひ読んでほしい。政権に対する論調が各新聞社によって違うことがわかるでしょう」
新聞の魅力は「『興味深いおもしろさ』があること。そして、日々世の中が動いていることが形になって表れていること」とプチ鹿島さんは言います。
「ニュースや時事ネタは『難しいこと』ではありませんよ。今日起きたことを家族や友達と話すように、ニュースも『今日の出来事』として、みんなで話してみてください」
1970年、長野県生まれ。著書に『教養としてのプロレス』『芸人「幸福」論』などがある。
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