小さな子どもからチャレンジできる
就学前後のお子さんに「手芸はまだ早いのでは?」と思うかもしれませんが、そんなことないんですよ。もちろん見守りは必ずしなくてはなりませんが、「針はチクッとするから気を付けようね」と教えてあげれば、子どもはちゃんとわかって真剣に取り組みます。
大切なのは、細かい説明よりも手芸を楽しむこと。縫いぐるみ、ふくろもの、あるいは洋服でも、「こんなもの欲しい」「作ってみたい!」と思えるものからチャレンジしてみてください。
楽しみながら課題に取り組む力を養う
ちょっとしたものを縫うにも、最初は数時間かかることも。でも、「やってみたい!」と思うものから作りはじめれば、最後まで完成させようというやる気がわき、作っていくなかで集中力や忍耐力が身につきます。また、「完成したらどんな形か」「裏返したらどうなるか」など、ものの構造を考えながら作るので、空間認知力が自然と養われていくんです。
そして、なによりも完成したときの達成感やうれしさといったらありません! 自分で作ると愛着がわいて、ものを大事にする心にもつながると思います。
まずは端かがり不要のハンカチで巾着袋を
ハンカチは柄や素材が豊富なだけでなく、4辺がかがってあるので端の処理をしなくてすみます。手ぬぐいやバンダナを使ってもOK。布の大きさを変えれば、コップ入れや体操服入れ、靴袋なども自作できますよ。
手提げバッグでは裏地付きのものをご紹介しました。一見難しそうですが、順を追って縫うだけなので案外簡単です。
裏地があると強度も増し、長く使えます。お子さんとの手芸は、親子の大切な時間を作る機会にもなります。無心の時間に意外に心がリラックス。毎日子育てや仕事で忙しい方にこそおすすめしたいです。
裏地つき手提げバッグの作り方
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裁縫家、イラストレーター、漫画家 ワタナベ・コウさん
東京都世田谷区でソーイング教室「コウ手芸部」主宰。おばあちゃん子で5歳のころから編み物や刺繡を始める。NHK教育「おしゃれ工房」では、わかりやすい解説で人気講師に。自身の教室でも難しい説明や面倒なしつけはせず、「作りたい」と思えるものを楽しくレクチャー。子どもから大人まで幅広い支持を得ている。著書に『裁縫女子宣言! はじめて作る自分だけのシャツ』(バジリコ)など。
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