災害時の非常食のことを「サバイバルめし」、略して「サバ・メシ」などと言うこともあります。人によっては、魚のサバを使った料理とかんちがいする人もいるでしょう。
サバ・メシと関係の深いキーワードに「ライフライン」があります。ライフラインとは、電気、ガス、水道、電話など、私たちの日常生活に欠かすことができない、生活の基盤になるもののことです。
大地震などが発生した災害時には、ライフラインが被害を受けて、生活はたちまち不便になってしまいます。そのような中でも私たち人間は、命と健康を守るために、食べることが必要です。
カセット式の卓上コンロ一つで、できるだけ水を使わなくても、工夫次第でおいしい食事をつくることができます。宮城県仙台市の親子が考えたサバ・メシのレシピを紹介しましょう。
やってみよう
【材料(4人分)】
トマトソース缶 1缶▽ミックスビーンズ缶 1缶▽ツナ缶 2缶▽マッシュルーム缶(スライス) 1缶▽マカロニ(ペンネ) 100グラム▽水 約1カップ▽バルサミコ酢 大さじ2ぐらい▽ブイヨン 1個
【作り方】
①缶詰と水をなべに入れ、火にかけます。トマトソースやツナの缶をなべに開けてから、缶詰に水を入れると、むだなく使えます。
②煮立ってきたらマカロニを入れ、10分程度、煮こみます。時々かきまぜます。
③ブイヨンと酢で味を調えてから、もう一度、煮立たせます。
④火を止め、ふたをして5分ほど蒸らして、できあがり。
このレシピを考えた親子は、災害時の食事はおにぎりやパンが多いことから、少しちがった料理を考えたそうです。手に入りやすく長期保存できる食材を使い、栄養のバランスや調理のしやすさにも配慮したといいます。
ライフラインが使えない状態でも、非常時を乗りこえ、早く日常生活にもどるために、おいしい食事、楽しい食事をとりたいものです。ライフラインの耐震化は進んでいますが、少なからず被害が出ることを前提に、備える必要があります。
「サバ・メシ」のアイデアを家族で話し合い、実際に作ってみましょう。サバ・メシのレシピコンテストが開催される地域もあります。専門家向けですが、新潟大学地域連携フードサイエンス・センターによる本『これからの非常食・災害食に求められるもの―災害からの教訓に学ぶ―』なども参考になります。日本災害食学会という団体もあります。
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