さまざまな分野の第一線で活躍する著名人の講演などで話題の「四国新聞女性クラブ」の会員限定イベントが19日、高松市玉藻町のレクザムホール大ホールで開かれた。ライブと講演会があり、ポップな歌声で知られる歌手のEPOさんがピアノなどの弾き語りを披露。続いて行われた講演会では、前立腺がんであることを4月に公表した演出家の宮本亜門さんが「違うから面白い、違わないから素晴らしい。」と題して講演。「人生は短い。その短い人生で出会う人は少ない。人の悪いところをみつけるのではなく、良いところを探して、数少ない出会いを大切にしてほしい」と来場者に語り掛けた。
同クラブは文化的で好奇心旺盛な女性を応援しようと、四国新聞社が2015年度に創設。本年度は文化人や芸能人らをゲストに迎えた講演会などを年4回開催。今回は本年度の2回目となるイベントで、会員約1800人が来場した。
同イベントに2年ぶりに出演したEPOさんは、デビュー曲「DOWN TOWN」のほか、「土曜の夜はパラダイス」「う・ふ・ふ・ふ」などヒット曲をピアノなどの弾き語りで披露。最新アルバムの曲などを加え全6曲を明るく透明感のある歌声で歌い上げた。
続いて宮本さんが登壇。がん公表後に講演するのは初めてで、診断を受けた時の心境や、幼少期からこれまで道のりなどを話した。宮本さんは診断された時の写真を示しながら「皆さん、生きてるって凄(すご)いんです」と第一声。言葉を継いで「応援メッセージをたくさん頂き、自分が多くの人に愛されているということを気付かせてくれた。今はがんに感謝している」と語った。
今後については、講演会終了後に東京で手術に向けた準備をすることを明かした。来場者に「安心してください。まだ亡くなりません」とこぶしを握りしめながら強調すると、会場から拍手が起こった。
さらに宮本さんは高校生のころを振り返り、友人に仏像鑑賞など趣味のことを理解してもらえず引きこもりになった体験を紹介。「でも、10枚のレコードが僕を救ってくれた。何度も聴いているうちに頭の中に映像が浮かぶように。その体験から演出家を目指すようになった」と説明し、「捉え方次第で物事の見方を変えることができる」と真剣な表情で付け加えた。
第3回のイベントは8月4日に同ホールであり、大地真央さんによるトークショーと、トワエモワさんのライブを予定している。
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