子どもの「生きぬく力」は食卓でぐんぐん伸びる
子どもの「生きぬく力」を育むには、食卓での「食体験」が重要と考える『食育ずかん』。栄養士、調理師、食育インストラクターとして活動する山下久美子さんに、食を通じて経験を重ねることの大切さについて聞きました。
あまりがんばりすぎないで!
給食メニュー作りの手助けをしたり、食の大事さを伝えたりといった活動をする山下さん。同時に2歳、小学1年、5年生の子どもたちを育てるお母さんとしても、忙しい毎日を送ります。
日ごろから心がけているのは「あまりがんばりすぎないこと」です。「食生活すべてにこだわりすぎると、大変です。ここは力を入れたい、というポイントを見つけてみてください」とアドバイスします。
山下さんのポイントは「朝食」だそうです。朝食を抜くと、体のリズムが崩れ、頭も体もぼんやりしがちです。朝食をとることで、体温が上がるとともに、脳が活性化されて「やる気」や集中力も出てきます。
大切とはいえ、朝早く起きて、すべてを準備するのは大変です。「夕食の準備をするときに、朝食のことも考えていっしょに下ごしらえすると、手間が省けます」と山下さん。
ほかにも「野菜がたくさんとれるように、具だくさんのみそ汁やスープを加える」「洗い物の手間が省けるようにプレートを活用する」など、少しの工夫で食卓も変わります。
ちょっとの工夫で学びの場に
ちょっとひと手間加えることで、食卓も学びの場になります。「例えば、刻んだキノコ類を入れたハンバーグがメニューのときには、『どんなキノコが入っているでしょうか?』といったようなクイズを出すこともできます。
楽しみながらキノコの種類や栄養なども一緒に知ることができます」 会話が弾むと、心も満たされ、自然とおいしく食べられます。この時、親の姿勢もポイントになります。
「今日はどんなことがあった?」「どんな味がする?」と疑問符「?」で話しかければ、子どもの理解力や表現力も高まります。さらに大人が「そうなの!」「すごいね!」などと、感嘆符「!」で反応すれば、自己肯定感を得られるようになります。
「お手伝いしたい」は絶好のチャンス
また「お手伝いしたい」と子どもから言い出したときは、子どもの可能性を伸ばす絶好のチャンス。「やりたいと思った欲求がかなえられると、好奇心や探求心を育てる機会にもなります。
休みの日などに、家族みんなのためにレタスをちぎる、おはしの準備をする、といった簡単にできることから始めてみてください」
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