県は29日、認可保育所や認定こども園に入所できない「待機児童」(4月1日時点)が前年同期比74人増の182人となり3年ぶりに増加したと発表した。丸亀市が101人で約2・8倍に増加。これまで県内待機児童者の大半を占めていた高松市を上回り最多となった。10月からの幼児教育・保育無償化を見越した申し込みの増加に、受け皿整備が追いつかなかったのが主な要因とみられる。
待機児童は、認可保育所などに入る条件を満たしているのに、定員オーバーなどの理由で利用できない子どものこと。ただし、特定の施設だけを希望している場合などは除外する。
待機児童は丸亀市の101人、高松市の77人、坂出市の4人。最多の丸亀市は前年同期の36人から65人増えた。同市によると、入所申し込み人数が3月末時点で1115人と前年同期を80人上回った一方で、保育士の確保が思うように進まなかったとしている。
高松市は前年同期比15人増の77人で、5年連続で待機児童が発生。定員を前年度から283人増やすなどしたが、入所申し込みの増加傾向に追いつけず、待機が解消できなかった。前年1人の観音寺市と8人だった多度津町は解消した。
県や待機児童が発生した各市は保育士の確保策に注力。県は退職した保育士の復職支援や資格取得者への補助事業などを継続する。丸亀市は本年度から、保育士を目指す学生を対象に修学資金を貸し付ける。
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