大草直子の子育て中、自分育て中
1年間の留学を終えて、長男がアメリカから帰国します。「昔は…」と言うつもりはありませんが、私が高校生だった時代の交換留学では、同級生ととるコンタクトの方法は、手紙のみでした。長男は、SNSを駆使して、現況やさまざまなうれしいこと、つらいことをシェアしているようです。
同じ系列の小学校に通う末っ子の運動会では、「数学が遅れていることを心配しているみたいだね~」と、多くのお母さまに声を掛けられました。この「濃い友情関係を作ること」は、彼の最も得意とするところ。
日本では、小学校から高校まで付属の学校にお世話になっていますが、通わせている理由の一つは、「一生の友達を作ること」。多感な子ども時代を、まるできょうだいのように近い距離で育ち、さまざまな経験をシェアする中で、友情は時にあっちに行ったり、こっちに行ったりしながら、強く固いものになっていくのだと思います。
子どもたちの世界に敬意
その中で、私たち親が気を付け、心がけていることがあります。それは子どもたちのリレーションシップ(信頼関係)に親が入らないこと、そして彼らの大切な秘密を探そうとしないことです。「子どもの友達をジャッジせず」、そして大人のフィルターで、子どもたちの世界を見ないように。
隠し事を大きな気持ちで見守り、特にネガティブなハプニングにもゆったりと構えていること。繊細で透明な、子どもたちだけの価値観と世界をリスペクトするようにしています。
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naoko okusa 1972年生まれ。大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。雑誌『ヴァンテーヌ』で編集のキャリアを積んだ後、南米へ遊学。帰国後、フリーのエディター、スタイリストとして、女性誌で活躍。現在はWEBマガジン『mi-mollet』編集長を務める。ベネズエラ人の夫との間に3人の子を持つ母親でもある。ウェブメディアAMARC(amarclife.com)主宰。
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