あなたに手紙を書きます。担任の先生が好きになれないあなたに手紙を書きます。
小学校から高校を卒業するまで、私には好きだった担任の先生は一人しかいません。小3の時の先生だけです。あとの先生とは、うまくいきませんでした。先生との相性が悪いので、学校に行くのがいやになりました。
でも、学習塾の先生は好きで、塾のない日にも遊びに行っていました。
私は、学習塾の先生に「学校の先生にきらわれている」とか、「先生はえこひいきばかりする」とか、担任の先生の悪口をよく言っていました。学習塾の先生は、笑いながら「大人でも、子どもでも、相性ってもんがあるんや。無理することはない」と言ってくれました。
その先生は続けてこう言ったのです。「でも、相性が悪いと言って逃げてばかりいたらあかんで。好きにならんでもええから、その先生のええところを一つ見つけるんや。それで十分や」と。
私は、素直に「先生の好きなところ探し」をやってみました。大きらいな先生でしたが、バレーボールのトスを上手にあげることがわかりました。昼休みにクラスでやるバレーボールに参加してみたら、学校に行くのが不思議と苦にならなくなりました。
うそのような話に聞こえるかもしれませんが、やってごらん。担任の先生がきらいでも、好きなところを一つ見つける。それだけで先生への思いが変わります。学校が楽しくなってきますよ。
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ひきた・よしあき 博報堂のスピーチライター、博報財団コミュニケーション コンサルタント
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